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運行管理者試験過去問題 - 平成28年度第1回(貨物)

平成28年度第1回 -貨物-(H28.8実施)

5.運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力

問24 運行管理の意義、運行管理者の役割等に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

1.運行管理者は、事業者に代わって法令に定められた事業用自動車の運行の安全確保に関する業務を行い、交通事故を防止するという重要な役割を果たすことが求められていることから、運行管理者以外に複数の補助者を選任し運行管理業務に当たらせ、運行管理者は運行管理に関し、これらの補助者の指導・監督のみを行っている。

2.運行管理者は、運行の安全に関する、改善すべき点及び運転者その他の従業員の「現場の声」を踏まえた対策について、事業者に対し積極的に助言を行い、運行の安全確保を図ることも重要な役割である。

3.運行管理者は、運転者の指導教育を実施していく際、運転者1人ひとりの個性に応じた助言・指導(カウンセリング)を行うことも重要である。そのためには、日頃から運転者の性格や能力、事故歴のほか、場合によっては個人的な事情についても把握し、そして、これらに基づいて助言・指導を積み重ねることによって事故防止を図ることも重要な役割である。

4.運行管理者は、自社の営業所において重大事故が発生したため、直ちに、情報の収集を行い、事故の直接的及び間接的な要因として考えられる事故原因について分析を行い、必要な再発防止策を検討・作成した。しかし、対策の実施及びその時期は事業者の責任で行うべきであるので、これらの対策の実施を事業者に助言しなかった。


問25 点呼の実施に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でない者には解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。(※法改正により一部改変)

1.A営業所においては、運行管理者は昼間のみの勤務体制となっている。しかし、運行管理者が不在となる時間帯の点呼が当該営業所における点呼の総回数の7割を超えていることから、その時間帯における点呼については、事業者が選任した複数の運行管理者の補助者に実施させている。運行管理者は、点呼を実施した当該補助者に対し、点呼の実施内容の報告を求める等十分な指導及び監督を行っている。

2.運行管理者が業務前の点呼において、運転者に対して酒気帯びの有無を確認しようとしたところ、営業所に設置されているアルコール検知器が停電によりすべて使用できなかったことから、当該運行管理者は、運転者に携帯させるために営業所に備えてある携帯型アルコール検知器を使用して酒気帯びの有無を確認した。

3.定期健康診断の結果、すべて異常なしとされた運転者については、健康管理が適切に行われ健康に問題がないと判断され、また、健康に問題があるときは、事前に運行管理者等に申し出るよう指導している。このため、業務前の点呼における疾病、疲労等により安全な運転をすることができないおそれがあるか否かの確認は、本人から体調不良等の申し出があるときには行っている。

4.以前に自社の運転者が自動車運転免許の効力の停止の処分を受けているにもかかわらず、事業用自動車を運転していた事案が発覚したことがあったため、運行管理規程に業務前の点呼における実施事項として、自動車運転免許証の提示及び確認について明記した。運行管理者は、その後、業務前の点呼の際の自動車運転免許証の確認は、各自の自動車運転免許証のコピーにより行い、再発防止を図っている。


問26 運行管理者の業務上の措置等に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。(※法改正により一部改変)

1.運行管理者は、運転者に対し業務前の点呼を実施したところ、当該運転者から「乗務する事業用トラックのワイパーブレードの劣化により払拭状態が不良である」との報告を受けた。運行管理者は、本日の天気は晴れとの予報なので、運行には差し支えないと考え、整備管理者に確認を求めず出庫させた。

2.運行管理者は、貨物自動車運送事業法その他の法令に基づく運転者の遵守すべき事項に関する知識のほか、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転に関する技能及び知識について、運転者に対する適切な指導及び監督をしなければならない。ただし、その実施については、個々の運転者の運転に関する技能あるいは過去の運転の経験等に応じて適切な時期に行えばよく、必ずしも継続的、計画的に行わなくてもよい。

3.4年前まで他の一般貨物自動車運送事業者において事業用自動車の運転者として常時選任されていた者を一般貨物自動車運送事業の運転者として常時選任するために新たに雇い入れた。このため、運行管理者は初任運転者に対する適性診断を受診させるとともに、特別な指導を当該運転者に行った後、大型トラックに乗務させた。

4.運行管理者は、業務後の点呼において乗務記録を回収したところ、運転者が記載した筆跡がいつもと異なることに気づいたため、当該運転者に状況を確認した。本人からは、最近ときどき手にしびれが出るが大事ではないとのことであったので、念のためその状況を家族に連絡したが、医師の診断を受けるようにとの指導は行わなかった。


問27 自動車の運転に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。

1.自動車のハンドルを切り旋回した場合、左右及び前後輪はそれぞれ別の軌跡を通る。ハンドルを左に切った場合、左側の後輪が左側の前輪の軌跡に対し内側を通ることとなり、この前後輪の軌跡の差を内輪差という。ホイールベースの長い大型車ほどこの内輪差が大きくなる。したがって、このような大型車を運転する運転者に対し、交差点での左折時には、内輪差による歩行者や自転車等との接触、巻き込み事故に注意するよう指導する必要がある。

2.前方の自動車を大型車と乗用車から同じ距離で見た場合、それぞれの視界や見え方が異なり、運転席が高い位置にある大型車の場合は車間距離に余裕がないように感じ、乗用車の場合は車間距離に余裕があるように感じやすくなる。したがって、運転者に対して、運転する自動車による車間距離の見え方の違いに注意して、適正な車間距離をとるよう指導する必要がある。

3.平成26年中の事業用貨物自動車が第1当事者となった人身事故件数は2万件超である。過去10年間の事業用貨物自動車の交通事故の発生状況を見ると、平成21年頃までは減少幅が比較的大きかったものの、それ以降は減少傾向にあるが減少幅が縮まる。事故内容別発生状況を見ると、追突事故が約半分を占めており、トラック事業者にとって追突事故対策は重要な課題となっている。このため、運転者に対して、適正な車間距離の確保や前方不注意の危険性等追突事故の原因となる運転をしないよう指導する必要がある。

4.交通事故の中には、二輪車と四輪車が衝突することによって発生する事故が少なくない。このような事故を防止するためには、四輪車の運転者から二輪車が、二輪車の運転者から四輪車がどのように見えているのか理解しておく必要がある。四輪車を運転する場合、二輪車に対する注意点として、①二輪車も四輪車と同じように急に停車できない。②二輪車は死角に入りやすく、その存在に気づきにくい。③二輪車は速度が遅く感じたり、距離が実際より遠く見えたりする。したがって、運転者に対して、このような二輪車に関する注意点を指導する必要がある。


問28 事業用自動車の運転者の健康管理及び就業における判断・対処に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

1.事業者は、運転者の自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある脳血管疾患及び心疾患等に係る外見上の前兆や自覚症状等を確認し、総合的に判断して必要と認められる場合には、運転者に医師の診断等を受診させ所見に応じた精密検査を受けさせてその結果を常に把握するとともに、医師から結果に基づく運転者の乗務に係わる意見を聴取する。

2.運転者は、営業所に帰庫する途中に体調が悪くなり、このままでは運行の継続ができないと判断し、近くの場所に安全に駐車して運行管理者に連絡をした。運行管理者は運転者に対し、しばらくその場所にて休憩を取り、営業所にも近いことから、自らの判断で運行を再開するよう指示した。

3.漫然運転や居眠り運転の原因の一つとして、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と呼ばれている病気がある。この病気は、狭心症や心筋梗塞などの合併症を引き起こすおそれはないが、安全運転を続けていくためには早期の治療が不可欠であることから、事業者は、運転者に対しSASの症状などについて理解させるよう指導する必要がある。

4.健康へのリスクの少ない節度ある適度な飲酒の目安としては、純アルコール20グラム(以下「1単位」という。)と言われている。その1単位(アルコール5%のビールの場合約500ミリリットル)のアルコールを処理するための必要な時間の目安は、概ね4時間とされているので、事業者は、これらを参考に個人差を考慮して、社内教育の中で酒気帯び運転防止の観点から酒類の飲み方等についても指導を行っている。


問29 荷主から貨物自動車運送事業者に対し、B地点で荷積みをし、C地点に12時に到着させるよう運送の依頼があった。これを受けて、運行管理者として運転者に対し当該運送の指示をするため、次に示す「当日の運行計画を策定するための前提条件」に基づき運行計画を立てた。
 この運行に関する次のア~ウについて解答しなさい。なお、解答にあたっては、「当日の運行計画を策定するための前提条件」に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

〔当日の運行計画を策定するための前提条件〕

〇 A営業所を出庫し、30キロメートル離れたB地点まで平均時速30キロメートルで走行する。

〇 B地点において30分間の荷積みを行う。

〇 B地点から180キロメートル離れたC地点までの間、一部高速自動車国道を利用し、平均時速45キロメートルで走行して、C地点に12時に到着する。

〇 荷下ろし後、1時間の休憩をとる。休憩後、A営業所に帰庫するため、C地点を13時30分に出発、一部高速自動車国道を利用し、150キロメートル先のD地点まで平均時速50キロメートルで走行して到着後、15分の休憩をとる。

〇 D地点からA営業所まで平均時速30キロメートルで走行して、A営業所に17時45分に帰庫する。

H28.1-29

ア C地点に12時に到着させるためにふさわしいA営業所の出庫時刻について、次の1~4の中から正しいものを1つ選び解答用紙にマークしなさい。

1.6時30分  2.7時00分  3.7時30分  4.8時00分

イ D地点とA営業所の距離について、次の1~4の中から正しいものを1つ選び解答用紙にマークしなさい。

1.15キロメートル  2.30キロメートル  3.45キロメートル  4.60キロメートル

ウ 当日の全運行において、連続運転時間は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に照らし、違反しているか否かについて、次の1~2の中から正しいものを1つ選び解答用紙にマークしなさい。

1.違反していない  2.違反している


問30 運行管理者が、次の大型トラックの事故報告に基づき、この事故の要因分析を行ったうえで、同種事故の再発を防止するための対策として、最も直接的に有効と考えられる組合せを、下の枠内の選択肢(1~8)から1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、<事故の概要>及び<事故関連情報>に記載されている事項以外は考慮しないものとする。(※法改正により一部改変)

<事故の概要>

当該運転者は、事故当日は普段より遅れて出社し、運行管理者の補助者による乗務後点呼を受けた後、積み置きしてあった最大積載量14トンの大型トラックに1名で乗務し、8時に営業所を出発した。1時間一般道路を走行した後高速道路に入り、2時間走行した後20分の休憩をとった。さらに3時間走行し15分の休憩をとり、続けて1時間30分程度走行したところで(運行開始より約550キロメートル走行した地点)、緩やかな右カーブにおいて、前方で起きた事故のために徐行していた自動車に追突した。

H28.1-30

<事故関連情報>

〇 当該運転者は、事故前日休日で就寝時間が遅かった。

〇 当日の運行は、荷主直接からの運送依頼による定期運行の経路であり、事故日前々日に営業所隣の車庫で積み荷作業を済ませていた。

〇 当該営業所では、運行管理者と運行管理者の補助者による交代制で点呼を実施しており、当該運行については、補助者が乗務後点呼を実施した。

〇 当該運転者は、事故日の1ヵ月前に、拘束時間、連続運転時間について、改善基準を超えた運行を行っていた。他の運転者においても同様の違反があった。

〇 事業者は、毎月1回の安全衛生委員会を開催して運転者の指導を行っている。また、当該運転者に対しては、速度超過があるので個別の指導も実施していた。

〇 当該運転者は、直近の適性診断の結果では、動作の正確さ、判断・動作のタイミングも良く、また、働き方や生活習慣も非常に良い状態であった。しかし、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いを指摘されていた。

〇 当該運転者は、適性診断ではSASの疑いを指摘されていたが、健康診断においては特に指摘がなかったため、スクリーニング検査は受けていなかった。

〇 当該車両は、法令で定められた日常点検及び定期点検整備を実施していた。また、当該車両には衝突被害軽減ブレーキが装着されていた。

<再発防止対策>

ア 定期健康診断において所見が認められなかった運転者に対して、SAS等に係る外見上の前兆や自覚症状がないかを確認する。また、自覚症状等がない運転者に対しても、主要疾病等に関するスクリーニング検査を実施し、着実かつ早期の発見に努める。

イ 点呼において、運転者に対し、最近、連続運転時間及び速度超過の違反が多いことを再認識させ、休憩場所や休憩時間等について指示どおり運行することを徹底する。

ウ 常に点呼が確実に実施できるよう、体制の整備を図る。

エ たとえいつも慣れた運行経路であっても、漫然運転に陥らないよう、運転中は常に運転に集中し、前方に注意して走行するよう指導する。また、危険を予測し、これを回避できる運転操作を徹底させる。

オ 関係法令及び「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」の違反防止を図るため、運転者に対して適切な運行指示を徹底する。

カ 貨物自動車運送事業は、公共的な輸送事業であり、貨物を安全かつ確実に輸送することが社会的使命であることを運転者に深く認識させる。

キ 衝突被害軽減ブレーキ装着車であっても、必ず衝突をさけるものではない。運転者及び運行管理者は、これらの安全技術が装着されている車両においても、その技術を過信しすぎないことの理解を深めることが必要である。

ク 法令で定めた日常点検及び定期点検整備を確実に実施する。

1.ア・イ・ウ・キ   2.ア・イ・オ・ク   3.ア・ウ・エ・カ   4.ア・エ・キ・ク
5.イ・エ・オ・キ   6.イ・オ・カ・ク   7.ウ・エ・カ・ク   8.ウ・オ・カ・キ


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