運行管理者試験過去問題 - 令和5年度CBT試験 出題例(貨物)
令和5年度CBT試験 出題例 -貨物-
問24 事業用自動車の運転者に対する点呼の実施に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1.運行の業務前の点呼においてアルコール検知器を使用するのは、身体に保有している酒気帯びの有無を確認するためのものであり、道路交通法施行令で定める呼気中のアルコール濃度1リットル当たり0.15ミリグラム以上であるか否かを判定するためのものではない。
2.運行管理者は、業務前及び業務後の運転者に対し、原則、対面で点呼を実施しなければならないが、遠隔地で業務を開始又は終了する場合、車庫と営業所が離れている場合、又は運転者の出庫・帰庫が早朝・深夜であり、点呼を行う運行管理者が営業所に出勤していない場合等、運行上やむを得ず、対面での点呼が実施できないときには、電話、その他の方法で行っている。
3.通常は、運行管理者又は補助者による対面点呼が実施されているが、両者が休暇等で不在の時には、社内の運行管理体制に明記されていない事務員が代わりに点呼を行い、運行管理者にその内容を報告している。
4.運行管理者が業務前の点呼において、運転者に対して酒気帯びの有無を確認しようとしたところ、営業所に設置されているアルコール検知器が停電により全て使用できなかったことから、当該運行管理者は、運転者に携帯させるために営業所に備えてある携帯型アルコール検知器を使用して酒気帯びの有無を確認した。
問25 運行管理者の役割等に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1.事業者が、事業用自動車の定期点検を怠ったことが原因で重大事故を起こしたことにより、行政処分を受けることになった。この場合に、運行管理者は当該重大事故を含む運行管理業務上に一切問題がなくても、事業者に代わって事業用自動車の運行管理を行っていることから、運行管理者資格者証の返納を命じられる。
2.運行管理者は、運行管理業務に精通し、確実に遂行しなければならない。そのためにも自動車輸送に関連する諸規制を理解し、実務知識を身につけると共に、日頃から運転者と積極的にコミュニケーションを図り、必要な場合にあっては運転者の声を自動車運送事業者に伝え、常に安全で明るい職場環境を築いていくことも重要な役割である。
3.運行管理者は、運転者の指導教育を実施していく際、運転者一人ひとりの個性に応じた助言・指導(カウンセリング)を行うことも重要である。そのためには、日頃から運転者の性格や能力、事故歴のほか、場合によっては個人的な事情についても把握し、そして、これらに基づいて助言・指導を積み重ねることによって事故防止を図ることも重要な役割である。
4.運行管理者は、事業者に代わって法令に定められた事業用自動車の運行の安全確保に関する業務を行い、交通事故を防止するという重要な役割を果たすことが求められていることから、運行管理者以外に複数の補助者を選任し運行管理業務に当たらせ、運行管理者は運行管理に関し、これらの補助者の指導・監督のみを行っている。
問26 一般貨物自動車運送事業者(以下「事業者」という。)が行う事業用自動車の運転者の健康管理に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1.事業者は、深夜業(22時~5時)を含む業務に常時従事する運転者に対し、法令に定める定期健康診断を6ヵ月以内ごとに1回、必ず、定期的に受診させるようにしている。
2.睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、大きないびきや昼間の強い眠気など容易に自覚症状を感じやすいので、事業者は、自覚症状を感じていると自己申告をした運転者に限定して、SASスクリーニング検査を実施している。
3.トラック運転者は、単独で判断する、連続作業をする、とっさの対応が必要、同じ姿勢で何時間も過ごすなどから、心身の状態が運行に及ぼす影響は大きく、健康な状態を保持することが必要不可欠である。このため、事業者は、運転者が運転中に体調の異常を感じたときには、運行継続の可否を自らの判断で行うよう指導している。
4.運転者が脳検診において、異常所見の疑いが認められたため、当該運転者に脳検診を再受診させたところ、医師から診断結果に基づき、乗務時間を減らすなど、乗務の際の配慮が必要であるとの意見があった。このため、事業者は、医師からの意見等を勘案し、当該運転者について、乗務時間の短縮、夜間乗務の回数の削減等の就業上の措置を決定している。
問27 交通事故防止対策に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1.交通事故は、そのほとんどが運転者等のヒューマンエラーにより発生するものである。したがって、事故惹起運転者の社内処分を行うことが、交通事故の再発を未然に防止するには最も有効である。そのため、発生した事故の要因の調査・分析を行うことなく、事故惹起運転者及び運行管理者に対する特別講習を確実に受講させる等、ヒューマンエラーの再発防止を中心とした対策に努めるべきである。
2.ドライブレコーダーは、事故時の映像だけでなく、運転者のブレーキ操作やハンドル操作などの運転状況を記録し、解析することにより運転のクセ等を読み取ることができるものがあり、運行管理者が行う運転者の安全運転の指導に活用されている。
3.いわゆる「ヒヤリ・ハット体験」とは、運転者が運転中に他の自動車等と衝突又は接触するおそれなどがあったと認識した状態をいい、1件の重大な事故(死亡・重傷事故等)が発生する背景には多くのヒヤリ・ハットがあるとされており、このヒヤリ・ハット体験情報を収集・活用していくことは、交通事故防止対策に有効な手段となっている。
4.適性診断は、運転者の運転能力、運転態度及び性格等を客観的に把握し、運転の適性を判定することにより、運転に適さない者を運転者として選任しないようにするためのものであり、ヒューマンエラーによる交通事故の発生を未然に防止するための有効な手段となっている。
問28 自動車の運転等に関する次の記述のA、B、Cに入るべき字句としていずれか正しいものを1つ選びなさい。
1.自動車がカーブを走行するとき、自動車の重量及びカーブの半径が同じ条件の場合に、速度を2分の1に落として走行すると遠心力の大きさは【 A 】になる。
2.フット・ブレーキを使い過ぎると、ブレーキ・ドラムやブレーキ・ライニングなどが摩擦のため過熱してその熱がブレーキ液に伝わり、液内に気泡が発生することによりブレーキが正常に作用しなくなり制動力が低下することを【 B 】という。
3.雨の降りはじめに、路面の油や土砂などの微粒子が雨と混じって滑りやすい膜を形成するため、タイヤと路面との摩擦係数が低下し急ブレーキをかけたときなどにスリップすることを【 C 】という。
A:(1)4分の1 (2)2分の1
B:(1)フェード現象 (2)べーパー・ロック現象
C:(1)ウェット・スキッド現象 (2)クリープ現象
問29 荷主から貨物自動車運送事業者に対し、往路と復路において、それぞれ荷積みと荷下ろしを行うよう運送の依頼があった。これを受けて運行管理者は下の図に示す運行計画を立てた。この運行に関する次の1~3の記述について、解答しなさい。なお、解答にあたっては、<運行計画>及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。(※法改正により一部改変)
<運行計画>
B地点から、重量が5,500キログラムの荷物をC地点に運び、その後、戻りの便にて、D地点から5,250キログラムの荷物をF地点に運ぶ行程とする。当該運行は、最大積載量6,250キログラムの貨物自動車を使用し、運転者1人乗務とする。
1.当該運行においてA営業所を7時00分に出庫し、C地点に12時10分に到着するとした場合、B地点とC地点の距離【 ア 】は何キロメートルになるか、次の(1)~(3)の中から正しいものを1つ選びなさい。
(1)280キロメートル (2)294キロメートル (3)315キロメートル
2.当該運転者は前日の運転時間が8時間40分であり、また、翌日の運転時間を8時間40分とした場合、当日を特定の日とした場合の2日を平均して1日当たりの運転時間が「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」という。)に違反しているか否について、正しいものを1つ選びなさい。
(1)違反していない (2)違反している
3.当日の全運行において、連続運転時間は「改善基準告示」に、違反しているか否かについて、正しいものを1つ選びなさい。
(1)違反していない (2)違反している
問30 運行管理者が運転者に対し実施する危険予知訓練に関し、下図の交通場面の状況において考えられる<運転者が予知すべき危険要因>とそれに対応する<運行管理者による指導事項>として、最もふさわしいものを<選択肢の組み合わせ>1~8の中から3つ選びなさい。なお、解答にあたっては、【交通場面の状況等】に記載されている事項及び下図の状況以外は考慮しないものとする。
<運転者が予知すべき危険要因>
(1)右折の合図を出している自動二輪車が右折をしてくると衝突する危険がある。
(2)左折する時に自転車に気づくのが遅れると衝突する危険がある。
(3)道路の左側にいる歩行者が、雨が降り始めたので早く行こうと道路を横断してくるとはねる危険がある。
(4)急停止すると後続車に追突される危険がある。
(5)雨が降り始めたので、道路右側にいる自転車があわてて道路を横断してくると衝突する危険がある。
<運行管理者による指導事項>
ア 雨天時は、視界が悪くなり見にくくなるため、ヘッドライトを点灯させること。
イ 雨の降り始めは路面が滑りやすく停止距離が長くなるため、速度を落とし、対向車線の他車の動向に注意して走行すること。
ウ 雨の降り始めは傘を持たない歩行者が、早く行こうとして安全を確認しないまま道路を横断してくることがあるので、いつでも停止できる速度に落として進行すること。
エ 歩行者の動きに気をとられることで、自転車を見落とすおそれがあるので、左右の動向に注意して進行すること。
オ 雨が降り始めたら速度を落とし、先行車と十分に車間距離をとって進行すること。
<選択肢の組み合わせ>
1.(1)-イ
2.(2)-ウ
3.(3)-オ
4.(4)-エ
5.(5)-ア
6.(3)-ウ
7.(4)-ア
8.(5)-エ












