運行管理者試験過去問題 - 令和6年度CBT試験 出題例(貨物)

令和6年度CBT試験 出題例 -貨物-

5.運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力

問24 事業用自動車の運転者に対する点呼の実施に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

1.運行管理者は、業務前及び業務後の運転者に対し、原則、対面又は対面と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法により点呼を実施しなければならないが、遠隔地で業務が開始又は終了する場合は「運行上やむを得ない場合」に該当するため、「電話その他の方法」により点呼を実施することができる。この場合、運転者と直接対話ができる携帯電話も「電話その他の方法」に該当するため点呼の実施に使用することができる。

2.運行管理者は、点呼に用いるアルコール検知器を常時有効に保持するため、確実に酒気を帯びていない者が当該アルコール検知器を使用した場合に、アルコールを検知しないことを1ヵ月に1回確認している。

3.運行管理者は、業務後の点呼において、業務を終了した運転者からの当該業務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況についての報告は、特に異常がない場合には運転者から求めないこととしており、点呼記録簿に「異常なし」と記録している。

4.運行管理者は、業務後の点呼において酒気帯びの有無を確認する場合、運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器を使用し、道路交通法施行令で定める呼気中のアルコール濃度1リットル当たり0.15ミリグラム以上であるか否かを確認している。


問25 一般貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導・監督に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

1.自動車が追越しをするときは、前の自動車の走行速度に応じた追越し距離、追越し時間が必要になる。前の自動車と追越しをする自動車の速度差が小さい場合には追越しに長い時間と距離が必要になることから、無理な追越しをしないよう運転者に対し指導する必要がある。

2.運転者は、積載物の転落防止や、転落させたときに危険を防止するために必要な措置をとることが遵守事項として法令で定められている。出発前に、スペアタイヤや車両に備えられている工具箱等も含め、車両に積載されているものが転落のおそれがないことを確認しなければならないことを指導している。

3.飲酒は、速度感覚の麻痺、視力の低下、反応時間の遅れ、眠気が生じるなど自動車の運転に極めて深刻な影響を及ぼす。飲酒により摂取されたアルコールを体内で分解処理するために必要な時間は、個人差はあるが、例えば日本酒(アルコール15%)を2合(360mL)飲んだ時には、男性の場合で概ね4時間、女性の場合で概ね5時間が目安とされていることから、乗務前日の飲酒・酒量については、運転に影響のないよう十分気をつけることを運転者に指導している。

4.国土交通大臣が認定する適性診断(以下「適性診断」という。)を受診した運転者の診断結果において、「感情の安定性」の項目で、「すぐかっとなるなどの衝動的な傾向」との判定が出た。適性診断は、性格等を客観的に把握し、運転の適性を判定することにより、運転業務に適さない者を選任しないようにするためのものであるため、運行管理者は、当該運転者は運転業務に適さないと判断し、他の業務へ配置替えを行った。


問26 一般貨物自動車運送事業者(以下「事業者」という。)が行う事業用自動車の運転者の健康管理に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

1.健康起因事故の防止には心臓疾患や大血管疾患の予防や早期発見が重要となる。事業者は、重篤な心臓疾患、大血管疾患を見逃さないためには、その前兆や自覚症状のうち4大症状といわれている胸痛、めまい・失神、動悸、呼吸困難の有無について、日頃から点呼等で運転者に確認し、早めに把握することが重要である。

2.事業者は、法令により定められた健康診断を実施することが義務づけられているが、運転者が自ら受けた健康診断(人間ドックなど)において、法令で必要な定期健康診断の項目を充足している場合であっても、法定健診として代用することができない。

3.運転者が脳検診において、異常所見の疑いが認められたため、当該運転者に脳検診を再受診させたところ、医師から診断結果に基づき、乗務時間を減らすなど、乗務の際の配慮が必要であるとの意見があった。このため、事業者は、医師からの意見等を勘案し、当該運転者について、乗務時間の短縮、夜間乗務の回数の削減等の就業上の措置を決定している。

4.事業者は、深夜業(22時~5時)を含む業務に常時従事する運転者に対し、法令に定める定期健康診断を6ヵ月以内ごとに1回、必ず、定期的に受診させるようにしている。


問27 交通事故防止対策に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

1.自動車のハンドルを左に切り旋回した場合、左側の後輪が左側の前輪の軌跡に対し外側を通ることとなり、この前後輪の軌跡の差を内輪差という。大型車などホイールベースが長いほど内輪差が小さくなることから、運転者に対し、交差点での左折時には、内輪差による歩行者や自転車等との接触、巻き込み事故に注意するよう指導する必要がある。

2.輸送の安全に関する教育及び研修については、知識を普及させることに重点を置く手法に加えて、問題を解決することに重点を置く手法を取り入れるとともに、グループ討議や参加体験型研修等、運転者が参加する手法を取り入れることも交通事故防止対策の有効な手段となっている。

3.アンチロック・ブレーキシステム(ABS)は、急ブレーキをかけた時などにタイヤがロック(回転が止まること)するのを防ぐことにより、車両の進行方向の安定性を保ち、また、ハンドル操作で障害物を回避できる可能性を高める装置である。ABSを効果的に作動させるためには、運転者はポンピングブレーキ操作(ブレーキペダルを踏み込んだり緩めたりを繰り返す操作)を行うことが必要であり、この点を運転者に指導する必要がある。

4.トラックは視点が高いことから、手前の路面もよく見え、先行車両との車間距離が長く感じられるため、車間距離を短くとりがちになり、追突事故の要因ともなる。そのため、走行中は安全な速度と十分な車間距離を保つことが重要であることを、運転者に指導する必要がある。


問28 自動車の運転等に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

1.連結車両(トラクタとトレーラを連結した車両)が、滑りやすい路面で急ハンドルや急ブレーキなどの急激な運転操作を行ったりすると、車輪がロックしてタイヤが滑り、トラクタとトレーラが連結部で折れ曲がり、「くの字」になることを「ジャックナイフ現象」という。

2.フット・ブレーキを使い過ぎると、ブレーキ・ドラムやブレーキ・ライニングなどが摩擦のため過熱してその熱がブレーキ液に伝わり、液内に気泡が発生することによりブレーキが正常に作用しなくなり制動力が低下することを「ベーパーロック現象」という。

3.自動車の夜間の走行時において、自車のライトと対向車のライトで、お互いの光が重なり合い、その間にいる歩行者や自転車が見えなくなることを「クリープ現象」という。

4.自動車がカーブを走行するときに自動車に対しカーブの外側へ向かう力が働く。この力を「遠心力」といい、自動車の走行速度に比例し変化する。例えば、自動車の重量及びカーブの半径が同じ条件の場合、自動車の走行速度が2倍になると、遠心力の大きさも2倍になる。


問29 自動車の追越しに関する次の1~2の記述について、解答しなさい。
 なお、この場合の「追越し」とは、A車が前走するB車の後方40メートル(ア)の位置から始まり、B車を追い越してB車との車間距離が40メートル(イ)の位置に達するまでのすべての行程をいう。

R06.CBT-29-1

1.一般道を車両の長さ10メートルのA車が時速60キロメートルで走行中、上図のとおり、時速40キロメートルで前方を走行中の車両の長さが10メートルのB車を追い越すために要する追越距離を次の(1)~(2)の中から正しいものを1つ選びなさい。

(1)200メートル  (2)300メートル

2.2.「1」の場合において追越しに要する時間を次の(1)~(2)の中から正しいものを1つ選びなさい。

(1)12秒  (2)18秒


問30 運行管理者が、次の大型トラックの事故報告に基づき、この事故の要因分析を行ったうえで、事業者又は運行管理者にとって、最も直接的に有効と考えられる<事故の再発防止対策>ア~カの組合せを、<選択肢>(1~6)から1つ選びなさい。なお、解答にあたっては、<事故の概要>及び<事故関連情報>に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

R06.CBT-30

<事故の概要>
 大型トラックが信号交差点を左折した際、交差点内で、横断歩道上を右から横断中の自転車の通過待ちをした後に発進したが、同横断歩道を左から横断中の車いす利用者に気付かず衝突し、路上に転倒させた後、車両で轢過した。


<事故関連情報>

(1)運行管理者は、当該運転者に対する業務前の点呼において、昨日は、就寝時間がいつもより遅かったとの事であったが、疲労等に問題がないことを確認していた。

(2)運転者は、事故地点において、右方向から来る自転車のみに気を取られ、左方の安全確認を十分に行わなかったため、同横断歩道を左側から横断していた車いす利用者に全く気付かず進行し、車両の前部に衝突転倒させ轢過した。

(3)当該運転者は、3ヵ月前に定期健康診断を受診した際、肥満及び高血圧を指摘され、精密検査の受診を勧められ、まだ、精密検査は受診していなかったが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査は受診していた。

(4)当該運転者の適性診断結果で、「信号の変化や他の交通の動きを予測した運転を行うことや、歩行者や自転車のそばを通過する際は思いやりのある運転を心がける」こと等について指摘されていた。

(5)当該営業所においては、運行管理者の補助者(以下「補助者」という。)は選任されておらず、運行管理者により運行管理業務を行っていた。

(6)当該営業所では、事故が発生しやすい箇所、交差点での右左折時における留意事項等について指導を行っていなかった。


<事故の再発防止対策>

ア 運転者に対し、大型車を運転して交差点で左折又は右折する場合は、直接視界及び間接視界により、車両の左右及び前方下方に歩行者等がいないか十分確認した上で通過するよう指導を徹底すること。

イ SAS取扱規定を作成し、雇い入れ時等のタイミングで医療機器によるSASスクリーニング検査を受けさせ、SAS検査後のフォローや乗務可否、治療の継続的なチェックなど目的を明確にすること。

ウ 運行の主な経路における事故が発生しやすい箇所や具体的な注意事項など、安全運行を行うために必要な情報を運転者に伝え、適切な運行指示を行うこと。

エ 点呼の際に点呼実施者が不在にならないよう、適正な数の運行管理者又は補助者を配置するなど、運行管理を適切に実施するための体制を整備すること。

オ 適性診断の結果をもとに、運転者に対して、歩行者等の安全に配慮した「思いやり運転」を身につけるよう継続的に指導すること。

カ 運転者に対し、十分な睡眠時間の確保等、勤務に影響を及ぼさない日常生活の過ごし方についても指導すること。


<選択肢>

1.ア イ エ

2.ア ウ オ

3.ア エ カ

4.イ ウ エ

5.イ オ カ

6.ウ エ カ


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