運行管理者試験過去問題 - 平成21年度第2回(貨物)【解答・解説】
平成21年度第2回運行管理者試験(H22.3実施)-解答・解説-
【解答一覧】
問01:3 問02:1 問03:4 問04:4 問05:1 問06:3
問07:2 問08:2 問09:1 問10:3 問11:2 問12:3
問13:4 問14:2 問15:2 問16:1 問17:3 問18:2
問19:4 問20:1 問21:2 問22:3 問23:4 問24:2
問25:4 問26:1 問27:4 問28:4 問29:3 問30:3
1.貨物自動車運送事業法
問1 正解:3
3 誤り。国土交通大臣が標準運送約款を定めて公示した場合において、一般貨物自動車運送事業者が、標準運送約款と同一の運送約款を定めたときは、その運送約款については、国土交通大臣の認可を受けたものとみなす。
問2 正解:1
2 誤り。乗務員が有効に利用することができるように、休憩に必要な施設を整備し、及び乗務員に睡眠を与える必要がある場合にあっては睡眠に必要な施設を整備し、並びにこれらの施設を適切に管理し、及び保守することは、事業者の業務である。
3 誤り。休憩又は睡眠のための時間及び勤務が終了した後の休息のための時間が十分に確保されるように、国土交通大臣が告示で定める基準に従って、運転者の勤務時間及び乗務時間を定め、当該運転者にこれらを遵守させることは、事業者の業務である。
4 誤り。事業計画に従い業務を行うに必要な員数の事業用自動車の運転者を常時選任しておくことは、事業者の業務である。
問3 正解:4
4 誤り。国土交通大臣は、事業者が過積載による運送を行ったことにより、貨物自動車運送事業法の規定による処分をする場合において、過積載による運送が荷主の指示に基づき行われたことが明らかであると認められるときは、当該荷主に対しても、過積載による運送の再発防止を図るため適当な措置を執るべきことを勧告することができる。
問4 正解:4
4 誤り。他の運転者に交替して乗務を終了した運転者に対しては、乗務後の点呼において、当該運転者が交替した運転者に対して行った法令の規定による通告の内容について報告を求めなければならない。
問5 正解:1
一般貨物自動車運送事業者等は、事業用自動車に係る事故が発生した場合には、次に掲げる事項を記録し、その記録を当該事業用自動車の運行を管理する営業所において(3年間)保存しなければならない。
一 (乗務員)の氏名
二 事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
三 事故の発生日時
四 事故の発生場所
五 事故の当事者(乗務員を除く。)の氏名
六 事故の概要(損害の程度を含む。)
七 (事故の原因)
八 (再発防止対策)
問6 正解:3
1 貨物自動車運送事業者は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、当該貨物自動車運送事業に係る主な(道路の状況)その他の事業用自動車の運行に関する状況、その状況の下において事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な(運転の技術)及び法令に基づき自動車の運転に関して遵守すべき事項について、運転者に対する適切な指導及び監督をしなければならない。
2 一般貨物自動車運送事業者等は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、次に掲げる運転者に対して、事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事項について特別な指導を行い、かつ、国土交通大臣が認定する(適正診断)を受けさせなければならない。
一 死者又は負傷者(自動車損害賠償保障法施行令第5条第2号、第3号又は第4号に掲げる傷害を受けた者をい
う。)が生じた事故を引き起こした者
二 運転者として新たに雇い入れた者
三 高齢者((65才)以上の者をいう。)
問7 正解:2
2 誤り。運転者台帳に記載するのは、雇入れの年月日及び運転者に選任された年月日である。
問8 正解:2
2 誤り。事業者は、運輸支局長等から運行管理者について研修を行う旨の通知を受けたときは、運行管理者に当該研修を受けさせなければならない。補助者は含まれない。(※この規定は、輸送安全規則の改正に伴い現在は削除されており、従来、実施されてきた運輸支局長等が行う研修及び研修通知制度は廃止されている)
2.道路運送車両法
問9 正解:1
この法律は、道路運送車両に関し、(所有権)についての公証等を行い、並びに(安全性の確保)及び公害の防止その他の環境の保全並びに整備についての(技術の向上)を図り、併せて自動車の整備事業の健全な発達に資することにより、(公共の福祉)を増進することを目的とする。
問10 正解:3
3 誤り。指定自動車整備事業者が交付した有効な保安基準適合標章を自動車に表示しているときは、自動車検査証を備え付けなくても、当該自動車を運行の用に供することができる。
問11 正解:2
1 誤り。ブレーキ・ペダルの踏みしろが適当で、ブレーキの効きが十分であることは、一日一回、運行開始前に点検しなければならない。
3 誤り。タイヤの空気圧が適当であることは、一日一回、運行開始前に点検しなければならない。
4 誤り。灯火装置及び方向指示器の点灯又は点滅具合が不良でなく、かつ、汚れ及び損傷がないことは、一日一回、運行開始前に点検しなければならない。
問12 正解:3
3 誤り。自動車に備えなければならない非常信号用具は、夜間200メートルの距離から確認できる赤色の灯光を発するものでなければならない。
3.道路交通法
問13 正解:4
4 誤り。路側帯とは、歩行者の通行の用に供し、又は車道の効用を保つため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によって区画されたものをいう。
問14 正解:2
2 誤り。車両は、人の乗降、貨物の積卸し、駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から3メートル以内の部分においては、駐車してはならない。
問15 正解:2
2 誤り。交通整理の行われている交差点に入ろうとする車両等は、その進行しようとする進路の前方の車両等の状況により、交差点に入った場合においては当該交差点内で停止することとなり、よって交差道路における車両等の通行の妨害となるおそれがあるときは、当該交差点に入ってはならない。
問16 正解:1
車両等の運転者が道路交通法若しくは同法に基づく命令の規定又は同法の規定に基づく(処分)に違反した場合において、当該違反が当該違反に係る車両等の使用者の(業務)に関してなされたものであると認めるときは、(公安委員会)は、内閣府令で定めるところにより、当該車両等の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者、貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者であるときは当該事業者及び(当該事業を監督する行政庁)に対し、当該違反の内容を通知するものとする。
問17 正解:3
3 誤り。この標識は「大型貨物自動車等通行止め」の標識であり、車両総重量が8,000kg以上、最大積載量5,000kg以上の中型、大型貨物自動車等の通行を禁止するものである。
4.労働基準法
問18 正解:2
2 誤り。使用者は、労働時間が8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
問19 正解:4
4 誤り。労働者が業務上死亡した場合においては、使用者は、遺族に対して、平均賃金の1,000日分の遺族補償を行わなければならない。
問20 正解:1
1 誤り。使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、当該労働者に既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。
問21 正解:2
2 誤り。使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
問22 正解:3
連続運転時間(1回が連続10分以上で、かつ、合計が30分以上の運転の中断をすることなく連続して運転する時間をいう。)は、4時間を超えないものとすること。
運転開始後4時間以内または4時間経過直後に30分以上運転を中断しなければならない。ただし、運転開始後4時間以内に運転を中断する場合は、少なくとも1回につき10分以上とした上で分割することができる。
1 適合していない。運転時間4時間20分(3時間20分+1時間)に対し休憩時間を20分しかとっていない。
2 適合していない。前半部分については、運転時間4時間(2時間50分+1時間10分)に対し、30分の休憩を取っているが、後半、4時間の連続運転に対し20分の休憩しか取っていない。
3 適合している。前半については、運転時間4時間(2時間10分+1時間50分)に対し、合計30分(20分+10分)の休憩を取っている。また、後半も4時間の連続運転時後に30分の休憩を取っている。
4 適合していない。前半部分の連続運転時間が4時間を超えている(4時間10分)。
問23 正解:4
1日(始業時刻から起算して24時間をいう)についての拘束時間は、13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、最大拘束時間は、16時間とすること。この場合において、1日についての拘束時間が15時間を超える回数は、1週間について2回以内とすること。
勤務終了後、継続8時間以上の休息期間を与えること。
・拘束時間
1日:6時~18時=12時間
2日:6時~24時=18時間
3日:6時~18時=12時間
4日:6時~21時=15時間
5日:6時~19時=13時間
6日:6時~20時=14時間
・休息期間
1日~2日:18時~6時=12時間
2日~3日:24時~6時=6時間
3日~4日:18時~6時=12時間
4日~5日:21時~6時=9時間
5日~6日:19時~6時=11時間
拘束時間が改善基準に違反する勤務(16時間を超えている)が、2日の1回あり、休息期間が改善基準に違反するもの(8時間未満である)が、2日~3日の1回ある。したがって、4が正解となる。
5. 運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力
問24 正解:2
2 適切でない。警察庁が発表した平成20年中の交通事故の発生状況では、自動車及び原動機付自転車の運転者(第1当事者)による交通事故件数を法令違反別にみると、安全不確認が約3割を占め、次いで脇見運転、動静不注視の順となっており、これを踏まえた運転者の教育が必要である。
問25 正解:4
4 誤り。当該運転者の使用者は、民法又は自動車損害賠償保障法に基づき、被害者に対する損害賠償の責任を負うことになり、また、荷主から運送契約を破棄される等の社会的な制裁を受ける場合もある。
問26 正解:1
2 適切でない。これはフェード現象についての説明である。
3 適切でない。これはスタンディングウェーブ現象についての説明である。
4 適切でない。これはハイドロプレーニング現象についての説明である。
問27 正解:4
1 適切でない。点呼を行わなければならない。
2 適切でない。体調不良の乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。
3 適切でない。酒気を帯びた状態にある乗務員を事業用自動車に乗務させてはならない。
問28 正解:4
1 誤り。無事故・無違反証明書は、無事故・無違反で経過した期間を証明するものである。
2 誤り。累積点数等証明書は、交通違反や交通事故の点数が、現在何点になっているかを証明するものである。
3 誤り。運転免許経歴証明書は、過去に失効した免許、取り消された免許又は現在受けている免許の種類、取得年月日等について証明するものである。
問29 正解:3
(1)停止時におけるA自動車とB自動車の車間距離
A自動車の空走距離=停止距離68m-制動距離48m=20m(または72,000m÷3,600秒=20m)
停止時におけるA自動車とB自動車の車間距離=50m-20m=30m
(2)A自動車がB自動車の急ブレーキに気づくのが1秒遅れた場合、A自動車がB自動車との車間距離を4メートル残して停止するための車間距離
A自動車がB自動車の急ブレーキに気づくのが1秒遅れたので、停止距離が20m長くなる((1)の空走距離の計算より)。停止距離=68m+20m=88m
A自動車の空走距離=停止距離88m-制動距離48m=40m (または、20m×2=40m)
A自動車がB自動車との車間距離を4メートル残して停止するための車間距離 =40m+4m=44m
問30 正解:3
(1)営業所からB営業所までの運転時間
A営業所から30分後の位置までの距離=30km/h×0.5時間=15km
30分後の位置からB営業所までの距離=57km-15km=42km
30分後の位置からB営業所までの時間=42km÷20km/h=2.1時間=126分
A営業所からB営業所までの運転時間=30分+126分=156分=2時間36分
(2)A営業所からC営業所までの合計の所要時間
A営業所からB営業所までの運転時間=156分(①より)
B営業所での休憩時間=20分
B営業所からC営業所までの運転時間=21km÷30km/h=0.7時間=42分
A営業所からC営業所までの合計の所要時間
=156分+20分+42分=218分=3時間38分