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運行管理者試験過去問題 - 平成30年度第1回(貨物)【解答・解説】

平成30年度第1回運行管理者試験(H30.8実施)-解答・解説-

【解答一覧】
問01:4
問02:3 B4 C7 D1
問03:2,3
問04:1,3
問05:1,2
問06:4
問07:4
問08:2,3
問09:2
問10:1,4
問11:1 B1 C2
問12:1,3
問13:2
問14:1,3
問15:2
問16:1,2
問17:1 B2 C1
問18:2,4
問19:3
問20:5 B8 C1 D4
問21:2
問22:
問23:2
問24:2,3 不適1,4
問25:3,4
問26:1,2 不適3,4
問27:2,3,4 不適1
問28:2,3,4 不適1
問29:2 B1 C1
問30:2


1.貨物自動車運送事業法
  問1 正解4

4.誤り。「乗務員等の休憩又は睡眠のための施設の位置及び収容能力」の変更については、国土交通大臣の認可を受けなければならない


  問2 正解 A3 B4 C7 D1

1.運行管理者は、(A=誠実)にその業務を行わなければならない。

2.一般貨物自動車運送事業者は、運行管理者に対し、法令で定める業務を行うため必要な(B=権限)を与えなければならない。

3.一般貨物自動車運送事業者は、運行管理者がその業務として行う助言を(C=尊重)しなければならず、事業用自動車の運転者その他の従業員は、運行管理者がその業務として行う(D=指導)に従わなければならない。


  問3 正解2,3

1.誤り。「事業用自動車の運転者等を常時選任しておくこと」は、事業者の義務であり、運行管理者の業務ではない。運行管理者の業務は、「事業者により運転者等として選任された者以外の者を事業用自動車の運行の業務に従事させないこと」である。

4.誤り。運行管理者の業務は、「乗務員等が利用する休憩や睡眠のための施設を適切に管理すること」である。これらの施設の整備や保守については事業者の義務であり、運行管理者の業務ではない。


  問4 正解1,3

2.誤り。「道路運送車両法の規定による日常点検の実施又はその確認」については、業務前の点呼において報告を求め、及び確認を行う事項であり、業務後の点呼では不要である。

4.誤り。所属営業所において、酒気帯びの有無について確認を行う場合には、当該営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない。そのため、事業者はアルコール検知器を常時有効に保持しなければならず、正常に作動し、故障がない状態で保持しなければならない。


  問5 正解1,2

1.報告を要する。本事故は「自動車が転覆したもの」に該当するので、事故の報告を要する。「転覆」とは「自動車が道路上において路面と35度以上傾斜したとき」をいうので、運転者席を下にして横転している本事故も該当する。

2.報告を要する。本事故は「10人以上の負傷者を生じたもの」に該当するので、事故の報告を要する。

3.報告を要しない。「重傷者を生じた事故」があった場合には事故の報告を要するが、ここでいう重傷とは「腕などの骨折や内臓の破裂」、「14日以上病院に入院することを要する傷害」又は「病院に入院することを要する傷害で医師の治療を要する期間が30日以上のもの」のことをいい、「通院による30日間の医師の治療を要する傷害」は重傷には該当しない

4.報告を要しない。「10台以上の自動車の衝突・接触を生じた事故」や「高速道路において、3時間以上自動車の通行を禁止させた事故」があった場合には事故の報告を要するが、本肢の事故はいずれにも該当しない


  問6 正解4

1.誤り。事業者が選任する運転者等は、日々雇い入れられる者、2ヵ月以内の期間を定めて使用される者又は試みの使用期間中の者(14日を超えて引き続き使用されるに至った者を除く。)であってはならない。

2.誤り。運転者が一の運行における最初の勤務を開始してから最後の勤務を終了するまでの時間は144時間を超えてはならない。

3.誤り。事業者は、酒気を帯びた状態にある乗務員等を事業用自動車の運行の業務に従事させてはならない。「酒気を帯びた状態」とは、「道路交通法施行令に規定する呼気中のアルコール濃度1リットルにつき0.15ミリグラム以上であるか否かを問わない」とされている。したがって、身体にわずかでもアルコールを保有している場合、運行の業務に従事させてはならない。


  問7 正解4

4.誤り。他の運転者と交替して乗務を開始しようとするときは、事業用自動車の制動装置、走行装置その他の重要な装置の機能について点検しなければならない。「点検の必要性があると認められる場合」に限られるわけではない


  問8 正解2,3

1.誤り。「運転者でなくなった者に係る運転者等台帳」は、3年間保存しなければならない。

4.誤り。「事故の記録」は、3年間保存しなければならない。


2.道路運送車両法
  問9 正解2

2.誤り。自動車登録番号標は、自動車の前面及び後面の見やすい位置に取り付ける。「任意の位置」ではない


  問10 正解1,4

2.誤り。自動車検査証の有効期間の起算日は、有効期間が満了する日の1ヵ月前から当該期間が満了する日までの間に継続検査を行い、当該自動車検査証に係る有効期間を記録する場合は、当該自動車検査証の有効期間が満了する日の翌日とする。

3.誤り。自動車検査証は当該自動車に備え付けるのであって、営業所ではない。自動車運送事業の用に供する自動車の場合でも同様である。

4.正しい。初めて自動車検査証の交付を受ける車両総重量8トン(8,000キログラム)未満の貨物自動車の自動車検査証の有効期間は2年である。


  問11 正解 A1 B1 C2

地方運輸局長は、自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるとき(同法第54条の2第1項に規定するときを除く。)は、当該自動車の(A=使用者)に対し、保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため、又は保安基準に適合させるために必要な整備を行うべきことを(B=命ずる)ことができる。この場合において、地方運輸局長は、保安基準に適合しない状態にある当該自動車の(A=使用者)に対し、当該自動車が保安基準に適合するに至るまでの間の運行に関し、当該自動車の使用の方法又は(C=経路の制限)その他の保安上又は公害防止その他の環境保全上必要な指示をすることができる。


  問12 正解1,3

2.誤り。後写鏡は、取付部付近の自動車の最外側より突出している部分の最下部が地上1.8メートル以下のものは、当該部分が歩行者等に接触した場合に衝撃を緩衝できる構造でなければならない。

4.誤り。自動車は、告示で定める方法により測定した場合において、長さ12メートル、幅2.5メートル、高さ3.8メートルを超えてはならない。


3.道路交通法
  問13 正解2

2.誤り。路線バス等の優先通行帯が設けられている道路においては、自動車は、路線バス等が後方から接近してきた場合に当該道路における交通の混雑のため当該車両通行帯から出ることができないこととなるときは、当該車両通行帯を通行してはならない


  問14 正解1,3

2.誤り。後半の記述が誤り。他の車両を追い越そうとする場合において、前車が右折をするため道路の中央又は右側端に寄って通行しているときは、その左側を通行しなければならない。「追越してはならない」わけではない。

4.誤り。車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない


  問15 正解2

2.誤り。車両は、法令の規定により駐車する場合に、当該車両の右側の道路上に3.5メートル(道路標識等により距離が指定されているときは、その距離)以上の余地がないこととなる場所においては、駐車してはならない。つまり、「3.5メートル以上の余地があれば駐車してもよい」ということである。


  問16 正解1,2

3.誤り。車両等に積載している物が道路に転落又は飛散したときは、速やかに転落又は飛散した物を除去する等道路における危険を防止するため必要な措置を講じなければならない

4.誤り。故障その他の理由により高速自動車国道等の本線車道等又はこれらに接する路肩若しくは路側帯において当該自動車を運転することができなくなったときは、当該自動車が故障その他の理由により停止しているものであることを表示しなければならない。


  問17 正解 A1 B2 C1

車両等の運転者が道路交通法若しくは同法に基づく命令の規定又は同法の規定に基づく(A=処分に違反)した場合において、当該違反が当該違反に係る車両等の(B=使用者)の業務に関してなされたものであると認めるときは、都道府県公安委員会は、内閣府令で定めるところにより、当該車両等の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者、貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者であるときは当該事業者及び当該事業を監督する行政庁に対し、当該車両等の使用者がこれらの事業者以外の者であるときは当該車両等の使用者に対し、当該(C=違反の内容)を通知するものとする。


4.労働基準法
  問18 正解2,4

1.誤り。労働基準法で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならない。「労働基準法上の基準を理由とする労働条件の低下」は当事者間の合意があったとしても許されない。したがって、「当事者間の合意がある場合を除き」というのは誤り

3.誤り。労働者は、労働契約の締結に際し使用者から明示された賃金、労働時間その他の労働条件が事実と相違する場合においては、即時に労働契約を解除することができる。「30日前の予告」は不要である。


  問19 正解3

3.誤り。就業規則の作成又は変更については、労働者の過半数で組織する労働組合(労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者)の意見を聴かなければならない。同意を得ることまでは不要である。


  問20 正解 A5 B8 C1 D4

(1)1日(始業時刻から起算して24時間をいう。以下同じ。)についての拘束時間は、(A=13時間)を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、1日についての拘束時間の限度(最大拘束時間)は、(B=16時間)とすること。この場合において、1日についての拘束時間が15時間を超える回数は、1週間について2回以内とすること。

(2)業務の必要上、勤務の終了後継続8時間以上の休息期間を与えることが困難な場合には、当分の間、一定期間における全勤務回数の2分の1を限度に、休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過直後に分割して与えることができるものとする。この場合において、分割された休息期間は、1日において1回当たり継続(C=4時間)以上、合計(D=10時間)以上でなければならないものとする。


  問21 正解2

2.誤り。労使当事者は、時間外労働協定においてトラック運転者に係る一定期間についての延長時間について協定するに当たっては、当該一定期間は、2週間及び1ヵ月以上3ヵ月以内の一定の期間とするものとする。


  問22 正解ウ

トラック運転者の拘束時間は、1ヵ月について293時間を超えてはならない。ただし、労使協定があるときは、1年のうち6ヵ月までは、1年間についての拘束時間が3,516時間を超えない範囲内において、320時間まで延長することができる。
 つまり、「1年間の拘束時間が3,516時間を超えている」、「拘束時間が320時間を超えている月がある」、「拘束時間が293時間を超えている月が6ヵ月を超えている(=7ヵ月以上ある)」のいずれかに該当する場合、改善基準に違反することになる。
 以上を踏まえ、空欄A~Cに選択肢ア~ウの運転時間をそれぞれ当てはめて正誤判断していく。

肢アを当てはめた場合、表1の6月(空欄A)の運転時間が320時間を超える(321時間)ので、改善基準に適合しない。
 肢イを当てはめた場合、表2の1年間の拘束時間の合計が3,516時間を超える(3,222時間+296時間(空欄B)=3,518時間)ので、改善基準に適合しない。
 肢ウを当てはめた場合、表1~3いずれにおいても、1年間の拘束時間は3,516時間を超えず、1ヵ月の拘束時間が320時間を超える月もなく、293時間を超えている月は6ヵ月以内である。

したがって、改善基準に適合するものは肢ウとなる。


  問23 正解2

1.違反していない。1日の最大拘束時間については、16時間を超えてはならない。
 本問の勤務状況を見ると、拘束時間が16時間を超えている日はないので、改善基準に違反していない。

2.違反している。1日の運転時間については、2日を平均し1日当たり9時間を超えてはならない。
 1日の運転時間の計算に当たっては、特定の日を起算日として前後2日ごとに区切り、その2日間の平均を算出し、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」と「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」が、ともに9時間を超えている場合は改善基準に違反していることになる。(※「どちらも9時間を超えていない場合」や「どちらか一方だけが9時間を超えている場合」は違反にはならない!)
 本問の勤務状況を見ると、19日を特定日とした場合、「特定日の前日(18日)と特定日(19日)の運転時間の平均」が(9時間+10時間)÷2=9.5時間、「特定日(19日)と特定日の翌日(20日)の運転時間の平均」が(10時間+9時間)÷2=9.5時間であり、どちらも9時間を超えているため、改善基準に違反している

3.違反していない。1週間の運転時間については、2週間を平均し1週間当たり44時間を超えてはならない。
 1週間の運転時間の計算に当たっては、特定の日を起算日として2週間ごとに区切り、その2週間ごとに平均を計算し、「2週間を平均した1週間当たりの運転時間が44時間を超えている場合」は改善基準に違反していることになる。
 本問の場合、問題の表の下に「(注2)運転時間に係る2週間の起算日は1日とする。」との注意書きがあるので、1日を起算日として2週間ごとに区切り、「第1週~第2週(1日~14日)の運転時間の平均」と「第3週~第4週(15日~28日)の運転時間の平均」でそれぞれ違反の有無を判断する。(※「1日から2週間ごと」に区切って考えるので、「第2週~第3週(8日~21日)の運転時間の平均」を考慮する必要はない)
 本問の勤務状況を見ると、「第1週と第2週の運転時間の平均」は(42時間+46時間)÷2=44時間で、44時間を超えていないので改善基準に違反していない。「第3週と第4週の運転時間の平均」も(41時間+41時間)÷2=41時間で、44時間を超えていないので改善基準に違反していない。

4.違反していない。法定休日(=労働基準法35条の休日)に労働させる場合、当該労働させる休日は2週間について1回を超えてはならない。
 本問の場合、問題の表の下に「(注2)法定休日労働に係る2週間の起算日は1日とする」との注意書きがあるので、1日を起算日として2週間ごとに区切り、「第1週~第2週(1日~14日)の2週間における休日労働の回数」と「第3週~第4週(15日~28日)の2週間における休日労働の回数」でそれぞれ違反の有無を判断する。
 本問の休日労働の回数を見ると、第1週~第2週で1回(14日)、第3週~第4週で1回(28日)、つまり、休日労働の回数は2週間について1回であり「休日に労働させる回数」は改善基準に違反していない。


5.運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力
  問24 正解 適2,3 不適1,4

1.適切でない。採用時に提出させた履歴書が、法令で定める運転者等台帳の記載事項の内容を「すべて網羅」していればまだしも、概ね網羅しているということは一部の事項については記載されていないということなので適切ではない
 なお、法令上、「履歴書を運転者等台帳として使用すること」を禁止する規定はないが、運転者等台帳は一定の様式であることが求められており、仮に、法令で定める運転者等台帳の記載事項をすべて網羅している履歴書であっても、運転者ごとに異なる様式の履歴書を運転者等台帳とすることは適切ではない。

4.適切でない。運行管理者は、運転者等が運行指示書を携行した運行の途中に、運行経路に変更が生じた場合には、運行指示書の写しに変更内容を記載し、これにより運転者等に対し変更内容について適切な指示を行い、運転者等が携行している運行指示書に変更内容を記載させなければならない。したがって、運転者に携行させていた運行指示書を帰庫後提出させ、運行管理者自ら当該変更内容を記載することは適切ではない


  問25 正解3,4

1.適切でない。個人差はあるものの、体内に入ったビール500ミリリットル(アルコール5%)が分解処理される目安は、概ね4時間とされている。なお、「アルコール5%のビール500ミリリットル」は、純アルコールに換算して20グラム、これはアルコール摂取量の基準とされる量であり、アルコールの「1単位」という。

2.適切でない。他の自動車に追従して走行するときは、自車の速度と停止距離に留意し、前車との追突等の危険が発生した場合でも安全に停止できるような車間距離を保って運転するよう指導する必要がある。
 「停止距離」とは「危険を認知してから停止するまでに走った距離」のことであり、空走距離(=危険を認知しブレーキ操作を行い、ブレーキが効きはじめるまでに走った距離)と制動距離(=ブレーキが効きはじめてから止まるまでに走った距離)とを合わせた距離をいう。
 安全な車間距離の目安は、一般的に「停止距離以上の距離」とされており、「制動距離と同程度の車間距離」では、急ブレーキの際に前車に衝突する危険がある


  問26 正解 適1,2 不適3,4

3.適切でない。深夜業(原則として午後10時~午前5時までの間における業務)を含む業務に常時従事する者に対しては、当該業務への配置換えの際及び6ヵ月以内ごとに定期健康診断を受診させなければならない。

4.適切でない。脳血管疾患(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血など)は、MRI検査やCT検査などで早期に発見することが可能だが、健康診断では脳そのものの疾患を診る項目は設定されていないため、定期健康診断で発見することは容易ではない


  問27 正解 適2,3,4 不適1

1.適切でない。(2)が適切ではない。四輪車を運転する場合、二輪車は速度が実際より遅く感じたり、距離が遠くに見えたりする特性がある。


  問28 正解 適2,3,4 不適1

1.適切でない。適性診断は、運転者の運転行動や運転態度が安全運転にとって好ましい方向へ変化するように動機付けを行うことにより、運転者自身の安全意識を向上させるためのものであり、運転に適さない者を運転者として選任しないようにするためのものではない


  問29 正解 ア2 イ1 ウ1

ア.B地点とC地点の間の運転時間
 運転時間は「距離÷時速」で求めることができるので、B地点とC地点の間の運転時間は、150km÷45km/hを計算すればよいが、以下いずれの解法でも解答可能である。

〇時短解法(とにかく簡単に正解を出す)
 150km÷45km/hを計算すると「3.333…」なので、答えは「3時間〇分」であることがわかる。各選択肢を見ると肢イのみ3時間台なので、正解は肢イとなる。

〇詳細解法(正確に計算する)
 150km÷45km/hを計算すると3と15/45、つまり「3と1/3」時間であり、1/3時間は20分なので、B地点とC地点の間の運転時間は3時間20分となる。
 また、45km/hを分速(45km/h÷60分=0.75m/分)に変換し、150km÷0.75m/分=200分=3時間20分と計算することも可能である。

なお、以下のように「A営業所からB地点までの運転時間」から解答する方法もある。
 A営業所からB地点までの運転時間は、20km÷30km/h=2/3時間=40分であり、A営業所の出庫時刻が7時30分なので、B地点の到着時刻は8時10分であることがわかる。B地点では30分間の荷積みを行っているので、B地点の出発時刻は8時40分であり、C地点の到着時刻は12時なので、B地点とC地点の間の運転時間は、8時40分~12時で3時間20分である。

イ.1日当たりの運転時間の違反の有無
(※1日の運転時間の考え方については、問23の肢2の解説を参照のこと)
 運行当日の運転時間については、以下いずれかの計算により求める。

〇合計計算(運転時間の合計のみを出す)
 A営業所の出庫時刻が7時30分、帰庫時刻が19時30分なので、その間の時間(いわゆる拘束時間)は7時30分~19時30分=12時間である。
 このうち、運転以外の時間が、B地点での荷積み30分+C地点での荷下ろし20分+C地点での休憩1時間+D地点での荷積み30分+E地点での荷積み20分=2時間40分なので、運転時間は12時間-2時間40分=9時間20分となる。

〇個別計算(個別の運転時間を合計する)
 運転時間を合計すると、A営業所~B地点:40分(設問アより)+B地点~C地点:3時間20分(設問アより)+C地点~D地点:1時間(30km÷30km/h)+D地点~E地点:3時間(90km÷30km/h)+E地点~A営業所:1時間20分(40km÷30km/h)=9時間20分となる。

したがって、前日の運転時間が9時間、当日の運転時間が9時間20分であり、翌日の運転時間は8時間50分を予定しているので、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」が(9時間+9時間20分)÷2=9時間10分、「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」が(9時間20分+8時間50分)÷2=9時間5分となる。
 結果、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」と「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」のどちらも9時間を超えており、改善基準に違反している

ウ.連続運転時間の違反の有無
 連続運転時間は、4時間を超えてはならない。
 連続運転時間が改善基準に違反しているかどうかは、運転開始後4時間以内又は4時間経過直後に、30分以上の「運転の中断」をしているかどうかで判断する。
 つまり、“「30分以上の運転中断」をした時点で連続運転がリセットされる”ということであり、「30分以上の運転中断」をする前に運転時間の合計が4時間を超えてしまった場合、改善基準に違反することになる。
 なお、この「30分以上の運転の中断」については、少なくとも1回につき10分以上とした上で分割することもできる。
 また、「運転の中断」とは、「運転を行っていない時間」のことなので、休憩だけでなく荷積みや荷下ろしの時間も含まれる。

設問ア及びイで計算した運転時間を当てはめると、運転状況は以下のようになる。
H30.1-29answer

復路におけるD地点出発後の運転状況を見ると、〔運転3時間⇒運転中断20分(E地点での荷下ろし) ⇒運転1時間20分⇒A営業所帰庫〕となり、「30分以上の運転中断」をする前に運転時間の合計が4時間を超えている(=4時間20分)。したがって、連続運転時間が4時間を超えているため、改善基準に違反する


  問30 正解2

※本問のような「事故の再発を防止する対策として最も直接的に有効なもの」を選ぶ問題については、問題で問われている「最も直接的に有効な内容のもの」を考えるより、逆に「事故の原因とは直接的に関係ない内容のもの」を削除していった方が解答しやすい。

ア 〈事故関連情報〉によると、月1回ミーティングを実施していたものの、交通事故を惹起した場合の社会的影響の大きさや、疲労などの生理的要因による交通事故の危険性などについて理解させる指導・教育が不足していたことがわかる。したがって、本肢のような指導を行うことは、同種事故の再発防止対策として直接的に有効である。

イ 休息期間は勤務終了後に継続8時間以上与えなければならない。しかし、〈事故関連情報〉によると、事故日前日の積雪の影響により終業が早朝5時になり、事故当日は正午に出庫しているので、この間は7時間しか空けておらず、休息期間は8時間未満であることがわかる。さらに、事故日前1ヵ月間の勤務において、拘束時間・休息期間について複数回の改善基準違反があったことも考慮すると、本肢のような指導を行うことは、同種事故の再発防止対策として直接的に有効である。

ウ 〈事故関連情報〉によると、この営業所では、補助者が選任されておらず、運行管理者が不在のときは点呼が実施されていなかったとあるものの、事故当日は、アルコール検知器を使用し対面による業務前点呼が行われていた。したがって、同種事故の再発防止対策として、直接的に有効であるとはいえない。

エ 〈事故関連情報〉によると、本事故を起こした運転者は、初任運転者に対する適性診断(初任診断)を受診していなかったとあるが、本事故は、初任診断を受診していなかったことが原因で生じた事故ではない。したがって、同種事故の再発防止対策として、直接的に有効であるとはいえない。
 なお、本事故により死者や重傷者が生じていることを考慮すると、事故惹起運転者に対する適性診断(特定診断)を受診させることは、同種事故の再発防止対策として有効であるとも考えられるが、肢ウ、オ、クの内容は、明らかに同種事故の再発防止対策として直接的に有効であるとはいえないので、選択肢の組み合わせから判断することも可能である。

オ 〈事故関連情報〉によると、本事故を起こした運転者は健康診断を年2回受診しており、また、本事故は、運転者の疾病が原因で生じた事故ではない。したがって、同種事故の再発防止対策として、直接的に有効であるとはいえない。

カ 衝突被害軽減ブレーキの性能(※問27の肢4参照)を考慮すると、本肢のような指導を行うことは、同種事故の再発防止対策として、直接的に有効である。

キ 本事故の原因が運転者の「居眠り運転」であったことや、肢イの解説にあるように休息期間が8時間未満の状態で乗務していたことを考慮すると、事故当日の運転者は、疲労が蓄積された状態であったと考えられる。したがって、本肢のような指導を行うことは、同種事故の再発防止対策として直接的に有効である。

ク 〈事故関連情報〉によると、当該トラックは、日常点検・定期点検を実施しており、また、本事故は、速度抑制装置の誤作動などが原因で生じた事故ではない。したがって、同種事故の再発防止対策として、直接的に有効であるとはいえない。

以上により、同種事故の再発を防止するための対策として、最も直接的に有効と考えられる組合せは、ア・イ・カ・キとなり、肢2が正解となる。


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