運行管理者試験過去問題 - 令和元年度第1回(貨物)-解答・解説-

令和元年度第1回運行管理者試験 -貨物-(R01.8実施)-解答・解説-

5.運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力
  問24 正解 適4 不適1,2,3

1.適切でない。点呼については、その一部を補助者に行わせることができるが、点呼の一部を補助者に行わせる場合であっても、点呼を行うべき総回数の少なくとも3分の1以上は運行管理者が行わなければならない。本肢の場合、点呼の総回数の7割を超えた回数の点呼を補助者に実施させており、適切ではない

2.適切でない。業務前点呼及び業務後点呼は、原則、対面で行わなければならないが、運行上やむを得ない場合は電話その他の方法により行うことができる。
 ただし、電話その他の方法で点呼を行うことができる「運行上やむを得ない場合」とは、「遠隔地で業務を開始または終了するため、運転者の所属営業所で対面点呼が実施できない場合」等をいう。
 「車庫と営業所が離れている場合」や「早朝・深夜等において点呼執行者が営業所に出勤していない場合」は「運行上やむを得ない場合」には該当しないので、電話その他の方法よる点呼を行うことはできない

3.適切でない。業務後点呼における「当該業務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況」については、異常の有無にかかわらず、報告を求めなければならない


  問25 正解2,3,4

1.適切でない。他の自動車に追従して走行するときは、自車の速度と停止距離に留意し、前車との追突等の危険が発生した場合でも安全に停止できるような車間距離を保って運転するよう指導する必要がある。
 「停止距離」とは「危険を認知してから停止するまでに走った距離」のことであり、空走距離(=危険を認知しブレーキ操作を行い、ブレーキが効きはじめるまでに走った距離)と制動距離(=ブレーキが効きはじめてから止まるまでに走った距離)とを合わせた距離をいう。
 安全な車間距離の目安は、一般的に「停止距離以上の距離」とされており、「制動距離と同程度の車間距離」では、急ブレーキの際に前車に追突する危険がある


  問26 正解 適2,3,4 不適1

1.適切でない。脳血管疾患(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血など)は、MRI検査やCT検査などで早期に発見することが可能だが、健康診断では脳そのものの疾患を診る項目は設定されていないため、定期健康診断で発見することは容易ではない


  問27 正解 適2,3,4 不適1

1.適切でない。たしかに運転者の運転操作ミスや交通違反等のヒューマンエラー(人的要因)により発生している交通事故は多いが、事故防止を着実に推進するためには、事故の調査や事故原因の分析が重要かつ有効である。したがって、「発生した事故の調査や事故原因の分析よりも事故惹起運転者や運行管理者に特別講習を確実に受講させることを中心とした対策に努めること」は適切ではない


  問28 正解 適3 不適1,2,4

1.適切でない。運行管理者は、異常気象などにより輸送の安全の確保に支障を生ずるおそれがあるときは、乗務員等に対する適切な指示その他輸送の安全を確保するために必要な措置を講じなければならない。本肢のように、運行経路や運送の中断等について、運転者の判断に任せてしまうことは適切ではない

2.適切でない。大地震発生時にやむを得ず自動車を道路上に置いて避難する際は、エンジンを止め、エンジンキーを付けたままにし、窓を閉め、ドアをロックしないで避難する。緊急車両や他の避難者の通行の妨げになった場合に、すぐに移動させることができるような状態にしておく必要がある。

4.適切でない。踏切を通過しようとするときは、踏切の直前で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならず、進路の前方の車両等の状況により、踏切に入った場合においては踏切内で停止することとなるおそれがあるときは踏切に入ってはならない
 したがって、遮断機と接触せずに通過できたとはいえ、踏切を渡った先の道路の状況により、一時的でも踏切内に停車することになってしまったことは適切ではない。


  問29 正解 適2 不適1,3

1.適切でない。「B料金所~C料金所間(240km)を、設定された運転時間(2時間40分)で走行できるか」を考えるが、「車両総重量が8トン以上又は最大積載量が5トン以上の貨物自動車」が高速道路の本線車道を走行する際の最高速度は時速80kmとされており、本運行で使用する自動車も該当する。
 240kmの距離を時速80kmで走行する場合、少なくとも3時間(240km÷80km/h)かかるので、B料金所~C料金所間(距離240km)の運転時間を2時間40分と設定したことは適切ではない
 なお、本問については、「走行距離」や「平均速度」から正誤判断することも可能だが、計算が若干複雑になってしまうため、あまり推奨しない。

2.適切。(運行当日を特定日とした場合の2日を平均した1日当たりの運転時間は、改善基準に違反していない)
 運転時間は、2日を平均し1日当たり9時間、2週間を平均し1週間当たり44時間を超えてはならない。
 1日当たりの運転時間は、特定の日を起算日として前後2日ごとに区切り、その2日間の平均を算出し、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」と「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」が、ともに9時間を超えている場合は改善基準に違反していることになる。(※「どちらも9時間を超えていない場合」や「どちらか一方だけが9時間を超えている場合」は違反にはならない)
 本問の場合、運行前日の運転時間が9時間、当日の運転時間を合計すると9時間10分であり、翌日の運転時間は8時間50分なので、運行当日を特定日とすると、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」が(9時間+9時間10分)÷2=9時間5分、「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」が(9時間10分+8時間50分)÷2=9時間であり、「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」については、9時間を超えていないので、改善基準に違反していない。

3.適切でない。(連続運転時間の中断方法は、改善基準に違反している)
 連続運転時間は、4時間を超えてはならない。
 連続運転時間が改善基準に違反しているかどうかは、運転開始後4時間以内又は4時間経過直後に、30分以上の運転の中断をしているかどうかで判断する。
 なお、この「30分以上の運転中断」については、少なくとも1回につき10分以上(※10分未満の場合、運転中断の時間として扱われない)とした上で分割することもできる。
 また、「運転の中断」とは、「運転を行っていない時間」のことなので、休憩だけでなく荷積みや荷下ろしの時間も含まれる。
 つまり、“運転時間の合計が4時間を超える前に「合計30分以上の運転中断」をしなければならない(=「合計30分以上の運転中断」をした時点で連続運転がリセットされる)”ということであり、「合計30分以上の運転中断」をする前に運転時間の合計が4時間を超えてしまった場合、改善基準に違反することになる。

以上を踏まえ、往路と復路の運転状況を整理すると以下のようになる。
 問13肢3

往路~復路の最初の運転中断(荷積み30分)までは、4時間を超える連続運転は見られないので、改善基準に違反していないが、それ以降(復路の2回目の運転以降)の運転状況を見ると、〔運転2時間20分(一般道1時間+高速道路1時間20分)⇒運転中断10分(休憩)⇒運転1時間50分(高速道路1時間20分+一般道30分)…〕となり、「30分以上の運転中断」をする前に運転時間の合計が4時間を超えている(=4時間10分) 。したがって、連続運転時間が4時間を超えることになり、改善基準に違反している


  問30 正解 A2 B4 C8 D10

Aについては、Aに対する【運行管理者による指導事項】が「特に横断歩道の右側から渡ってくる自転車等を見落としやすいので意識して確認をすること」なので、運転者が予知すべき危険要因の例として最もふさわしいのは(2)の内容である。

Bについては、Bに対する【運行管理者による指導事項】が「対向車が通過後、対向車の後方から走行してくる二輪車等と衝突する危険があるため、周辺の交通状況をよく見て安全を確認してから右折すること」なので、運転者が予知すべき危険要因の例として最もふさわしいのは(4)の内容である。

Cについては、Cに関連する【運転者が予知すべき危険要因の例】が「対向車が交差点に接近しており、このまま右折をしていくと対向車と衝突する危険がある」ことなので、運行管理者による指導事項として最もふさわしいのは(8)の内容である。

Dについては、Dに関連する【運転者が予知すべき危険要因の例】が「右折していく道路の先に駐車車両の陰に歩行者が見えるが、この歩行者が横断してくるとはねる危険がある」ことなので、運行管理者による指導事項として最もふさわしいのは(10)の内容である。


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