運行管理者試験過去問題 - 令和2年度第1回(貨物)-解答・解説-

令和2年度第1回運行管理者試験 -貨物-(R02.8実施)-解答・解説-

5.運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力
  問24 正解 適2,4 不適1,3

1.適切でない。記述のような「運転者でなくなった者に係る運転者等台帳」は、3年間保存しなければならない。

3.適切でない。記述のような「運転者に対する指導の記録」は、3年間保存しなければならない。


  問25 正解1,2

3.適切でない。適性診断は、運転者の運転行動や運転態度が安全運転にとって好ましい方向へ変化するように動機付けを行うことにより、運転者自身の安全意識を向上させるためのものであり、運転に適さない者を運転者として選任しないようにするためのものではない

4.適切でない。飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安は、個人差はあるが、アルコール7%のチューハイ350ミリリットルの場合、概ね4時間とされている。


  問26 正解 適1,2,3 不適4

4.適切でない。睡眠時無呼吸症候群は、大きないびきや昼間の強い眠気などの症状がみられるが、疲労によるものだと思ってしまうこともあり、自覚しにくい病気である。したがって、運転者全員に対し、定期的にスクリーニング検査を実施することが望ましい。


  問27 正解 適2,3,4 不適1

1.適切でない。(2)が適切ではない。四輪車を運転する場合、二輪車は速度が実際より遅く感じたり、距離が遠くに見えたりする特性がある。


  問28 正解 ア2 イ2 ウ1

ア A自動車の空走距離
 まず、デジタル式運行記録計の記録図表を見ると、6時56分に急激に速度が落ちて(=急ブレーキをかけて)おり、急ブレーキをかける直前の速度は時速70㎞を少し超えた程度(72km/h程度)であることがわかる。
 本問で求める「空走距離」とは、問題文にあるように、「空走時間に自動車が走行した距離」のこといい、本問では空走時間を1秒間としているで「空走距離=1秒間に走行した距離」となる。
 時速72kmで走行中の自動車の場合、1時間(=3,600秒)で72km(=72,000m)の距離を走行することになるので、空走距離は、72,000m÷3,600秒=20mとなる。

イ A自動車が危険を認知してから停止するまでに走行した距離
 「危険を認知してから停止するまでに走行した距離」(停止距離)は、「空走距離+制動距離」で求めることができる。
 A自動車の空走距離は20m(※アの解答より)、制動距離は40m(※本問の問題文より)なので、A自動車の停止距離は、空走距離20m+制動距離40m=60mとなる。

ウ B自動車が急ブレーキをかけA自動車、B自動車とも停止した際の、A自動車とB自動車の車間距離
 A自動車は、前方のB自動車が急ブレーキをかけたのを認めてから急ブレーキをかけているので、停止時におけるA自動車とB自動車の車間距離は、走行時の車間距離(50m)から「A自動車の空走距離」及び「A自動車とB自動車の制動距離の差」の分だけ縮まっていることになる。
 A自動車の空走距離は20m(※アの解答より)、制動距離は40m(※イの問題文より)であり、B自動車の制動距離は35m(※本問の問題文より)なので、A自動車とB自動車の制動距離の差は40m-35m=5mになる。
 したがって,停止時におけるA自動車とB自動車の車間距離は、50m-20m-5m=25mとなる。


  問29 正解 ア3 イ2 ウ1

ア C地点に12時に到着させるためにふさわしいA営業所の出庫時刻
 「C地点に12時に到着させるためにふさわしいA営業所の出庫時刻」を求めるには、「A営業所~C地点までの所要時間」を求める必要がある。
 運転時間は「距離÷時速」で求めることができるので、A営業所~B地点までの運転時間が30km÷30km/h=1時間、B地点~C地点までの運転時間が165km÷55km/h=3時間であり、A営業所~C地点までの所要時間は4時間20分(A営業所~B地点まで運転1時間+B地点での荷積み20分+B地点~C地点まで運転3時間)である。
 したがって、A営業所の出庫時刻は、C地点到着時刻である12時の4時間20分前であり、7時40分となる。

イ D地点とE地点間の距離
 「D地点とE地点間の距離」を求めるには、「D地点~E地点間の運転時間」を求める必要があるが、そのためには、まず、D地点の出発時刻を求める。
 C地点の出発時刻が13時40分であり、C地点~D地点までの運転時間は60km÷30km/h=2時間なので、D地点の到着時刻は15時40分である。そして、D地点では20分の休憩をとっているので、D地点の出発時刻は16時である。
 D地点を16時に出発し、E地点への到着時刻が18時なので、D地点~E地点間の運転時間は2時間である。
 距離は「時速×運転時間」で求めることができるので、D地点~E地点の距離は、25km/h×2時間=50kmとなる。

ウ 連続運転時間の違反の有無
 問22の解説にもあるように、連続運転時間は4時間を超えてはならない。
 設問ア及びイで計算した運転時間を当てはめると、運転状況は以下のようになる。なお、E地点からA営業所までの運転時間は、20km÷30km/h=2/3時間=40分※である。
問29解答

往路については、運転時間4時間(1時間+3時間)に対し、合計2時間の運転中断(B地点:20分+C地点:1時間40分)をしているので問題ない。
 復路も、まず運転4時間(2時間+2時間)に対し、合計40分の運転中断(D地点:20分+E地点:20分)、その後も40分の運転後に乗務を終了しているので問題ない。
 したがって、連続運転時間は4時間を超えておらず、改善基準に違反していない


  問30 正解 A5 B3 C8

※本問については、問題で問われている「事故防止のための指導として最も直接的に有効なもの」を考える前に、まず肢ア~シの内容を一読し、「そもそも指導内容として適切ではないもの(=法令に違反するようなもの)」を削除していった方が解答しやすい。

肢ア~シの各肢の内容を読むと、以下の理由により「肢ウ」「肢キ」「肢サ」は、そもそも指導内容として適切ではないことがわかる。

ウ 右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の中央に寄り、かつ、交差点の中心の直近の内側を徐行しなければならない。
 したがって、「速度を落とさず交差点をすばやく右折するよう指導すること」は適切ではない

キ 衝突被害軽減ブレーキは、レーダー等で検知して前方の車両等に衝突する危険性が生じた場合に運転者にブレーキ操作を行うよう促し、さらに衝突する可能性が高くなると自動的にブレーキが作動し、衝突による被害を軽減させるためのものであり、同装置が正常に作動していても、走行時の周囲の環境によっては障害物を正しく認識できないことや、衝突を回避できないことがある
 したがって、「いかなる走行条件においても、衝突を確実に回避できるものであると指導すること」は適切ではない

サ 車両は、横断歩道に接近する場合において、横断歩道によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者があるときは、当該横断歩道の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
 したがって、「進路の前方にある横断歩道を横断しようとする歩行者がいる場合において、横断歩道を徐行するよう指導すること」は適切ではない

以上により、この時点で「肢ウ」「肢キ」「肢サ」のいずれかが含まれる選択肢(1)(2)(4)(6)(7)は解答にはなり得ず、残った選択肢(3)(5)(8)について、「直進、右折、左折どの場合における指導内容なのか」を考えると容易に解答できる。

各肢の内容を読むと、「(3)アオク」は右折時、「(5)イカコ」は直進時、「(8)エケシ」は左折時の指導であることがわかるので(※特に右折時と左折時の指導がわかりやすい)、事故防止のための指導として最も直接的に有効と考えられる組合せは、A(5)B(3)C(8)となる。


※上記が効率的な解き方であるが、正攻法で解く場合は、【死亡・重傷事故の特徴】と【事故の主な要因】を読み、それぞれに対応する指導内容が書かれた肢を選択していく。

ア 右折時の【死亡・重傷事故の特徴】には「歩行者等との事故が半数であること」が、また、【事故の主な要因】には、「対向車から譲られた時の安全確認不足」が挙げられているので、右折時の事故防止のための指導(B)として直接的に有効である。

イ 直進時の【事故の主な要因】には「たばこや携帯電話の操作」が挙げられているので、直進時の事故防止のための指導(A)として直接的に有効である。

ウ 前述通り、そもそも指導内容として適切ではない。

エ 左折時の【死亡・重傷事故の特徴】には「自転車の巻き込み事故が多い」ことが挙げられているので、左折時の事故防止のための指導(C)として直接的に有効である。

オ 右折時の【事故の主な要因】には「対向車の後方の安全確認不足」が挙げられているので、右折時の事故防止のための指導(B)として直接的に有効である。

カ 直進時の【事故の主な要因】には「飲酒運転」が挙げられているので、直進時の事故防止のための指導(A)として直接的に有効である。

キ 前述通り、そもそも指導内容として適切ではない。

ク 右折時の【事故の主な要因】には「二輪自動車等の対向車のスピードの誤認」が挙げられているので、右折時の事故防止のための指導(B)として直接的に有効である。

ケ 左折時の【事故の主な要因】には「徐行、一時停止の不履行、目視不履行」「大回りで左折する際の対向車等への意識傾注」が挙げられているので、左折時の事故防止のための指導(C)として直接的に有効である。

コ 直進時の【事故の主な要因】には「伝票の整理によるわき見運転」が挙げられているので、直進時の事故防止のための指導(A)として直接的に有効である。

サ 前述通り、そもそも指導内容として適切ではない。

シ 左折時の【事故の主な要因】には「左折前の確認のみで、左折時の再度の確認の不履行」「車体が大きく死角が多いこと」が挙げられているので、左折時の事故防止のための指導(C)として直接的に有効である。


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