運行管理者試験過去問題 - 平成23年度第2回(貨物)
1.貨物自動車運送事業法関係 | 個別表示 | 一問一答 |
2.道路運送車両法関係 | 個別表示 | 一問一答 |
3.道路交通法関係 | 個別表示 | 一問一答 |
4.労働基準法関係 | 個別表示 | 一問一答 |
5.実務上の知識及び能力 | 個別表示 | 一問一答 |
平成23年度第2回運行管理者試験 -貨物-(H24.3実施)
問1 貨物自動車運送事業法の目的に関する次の文中、A、B、C、Dに入るべき字句の組合せとして正しいものはどれか。
この法律は、貨物自動車運送事業の運営を( A )なものとするとともに、貨物自動車運送に関するこの法律及びこの法律に基づく措置の遵守等を図るための( B )による自主的な活動を促進することにより、( C )とともに、貨物自動車運送事業の( D )を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。
1 A:適正かつ合理的 B:自動車運送事業者 C:経営の効率を向上させる D:輸送秩序の確保
2 A:適正かつ合理的 B:民間団体等 C:輸送の安全を確保する D:健全な発達
3 A:健全かつ継続的 B:民間団体等 C:経営の効率を向上させる D:輸送秩序の確保
4 A:健全かつ継続的 B:自動車運送事業者 C:輸送の安全を確保する D:健全な発達
問2 次の記述のうち、一般貨物自動車運送事業の運行管理者の行わなければならない業務として誤っているものはどれか。(※法改正により一部改変)
1 法令の規定により、乗務員が休憩又は睡眠のために利用することができる施設を適切に管理すること。
2 法令の規定により、乗務員の健康状態の把握に努め、疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をし、又はその補助をすることができないおそれがある乗務員を事業用自動車に乗務させないこと。
3 法令の規定により、従業員に対し、効果的かつ適切に指導及び監督を行うため、輸送の安全に関する基本的な方針の策定その他の国土交通大臣が告示で定める措置を講じること。
4 法令の規定により、運転者に対して点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示を与え、並びに記録し、及びその記録を保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。
問3 運行管理者資格者証(以下「資格者証」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 一般貨物自動車運送事業の事業用自動車の運行の管理に関し5年以上の実務の経験を有し、その間に国土交通大臣が認定する運行の管理に関する講習を3回以上受講した者は、一般貨物自動車運送事業の資格者証の交付を受けることができる。
2 資格者証の交付を受けている者は、氏名に変更を生じたときは、運行管理者資格者証訂正申請書に当該資格者証及び住民票の写し又はこれに類するものであって変更の事実を証明する書類を添付してその住所地を管轄する地方運輸局長に提出し、資格者証の訂正を受けなければならない。
3 資格者証を失ったために資格者証の再交付を受けた者は、失った資格者証を発見したときは、遅滞なく、発見した資格者証をその住所地を管轄する地方運輸局長に返納しなければならない。
4 資格者証の交付の申請は、運行管理者試験に合格した者にあっては、合格の日から3ヵ月以内に行わなければならない。
問4 貨物自動車運送事業の事業用自動車の運転者に対する点呼(対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定めた機器による点呼を除く。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(※法改正により一部改変)
1 乗務前の点呼は、対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法)により行い、(1)酒気帯びの有無、(2)疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無、(3)道路運送車両法の規定による点検の実施又はその確認、について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。
2 乗務後の点呼は、対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法)により行い、当該乗務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況並びに他の運転者と交替した場合にあっては交替した運転者に対して行った法令の規定による通告について報告を求め、及び酒気帯びの有無について確認を行わなければならない。
3 乗務前又は乗務後の点呼のいずれかが対面で行うことができない乗務を行う運転者に対し、当該点呼のほかに、当該乗務の途中において少なくとも1回電話その他の方法により点呼を行い、所定の事項について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。
4 アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であって、国土交通大臣が告示で定めるものをいう。以下同じ。)を営業所ごとに備え、常時有効に保持するとともに、法令の規定により点呼時に酒気帯びの有無について確認を行う場合には、運転者の状態を目視等で確認するほか、当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない。
問5 次の自動車事故に関する記述のうち、一般貨物自動車運送事業者が自動車事故報告規則に基づき、運輸支局長等に速報することを要しないものはどれか。
1 事業用自動車が右折の際、対向車線を走行してきた大型自動二輪車と衝突し、この事故により当該大型自動二輪車に乗車していた2人が死亡した。
2 事業用自動車の前方を走行していた乗用車が信号が赤になり停車したが、後続の当該事業用自動車の運転者が気づくのが遅れたために追突し、この事故により当該乗用車に乗車していた4人と追突した当該事業用自動車の運転者が重傷を負った。
3 事業用自動車が走行中、突然、自転車が道路上に飛び出してきたため急停車したところ、後続の自動車5台が関係する玉突き事故となり、この事故により10人が負傷した。
4 事業用自動車が雨天時に緩い下り坂の道路を走行中、先頭を走行していた自動車が速度超過によりカーブを曲がりきれずにガードレールに衝突する事故を起こした。そこに当該事業用自動車を含む後続の自動車が止まりきれずに次々と衝突する事故となり、12台の自動車が衝突したが死傷者は生じなかった。
問6 一般貨物自動車運送事業者(以下「事業者」という。)が事業用自動車の運行の安全を確保するために運転者に対して行わなければならない指導及び監督に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 事業者は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、運転者として新たに雇い入れた者等法令に規定する運転者に対して、事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事項について特別な指導を行い、かつ、国土交通大臣が認定する適性診断を受けさせなければならない。
2 事業者は、国土交通大臣が告示で定めるところにより、当該貨物自動車運送事業に係る主な道路の状況その他の事業用自動車の運行に関する状況、その状況の下において事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転の技術及び法令に基づき自動車の運転に関して遵守すべき事項について、運転者に対する適切な指導及び監督をしなければならない。この場合においては、その日時、場所及び内容並びに指導及び監督を行った者及び受けた者を記録し、かつ、その記録を営業所において1年間保存しなければならない。
3 事業者がトラックの運転者に対して行う一般的な指導及び監督は、貨物自動車運送事業法その他の法令に基づき運転者が遵守すべき事項に関する知識のほか、トラックの運行の安全を確保するために必要な運転に関する技能及び知識を習得させることを目的としている。
4 高齢運転者に対する特別な指導は、国土交通大臣が認定した高齢運転者のための適性診断(以下「適性診断」という。)の結果を踏まえ、個々の運転者の加齢に伴う身体機能の変化の程度に応じたトラックの安全な運転方法等について運転者が自ら考えるよう指導する。この指導は、適性診断の結果が判明した後1ヵ月以内に実施する。
問7 一般貨物自動車運送事業者等が定めなければならない運行管理規程に関する次の文中、A、B、C、Dに入るべき字句の組合せとして、正しいものはどれか。
1 一般貨物自動車運送事業者等は、運行管理者の( A )、統括運行管理者を選任しなければならない営業所にあってはその( A )並びに事業用自動車の( B )に関する業務の( C )に関する規程(以下「運行管理規程」という。)を定めなければならない。
2 運行管理規程に定める運行管理者の( D )は、少なくとも貨物自動車運送事業輸送安全規則第20条(運行管理者の業務)に規定する業務を処理するに足りるものでなければならない。
1 A:職務及び権限 B:運行の安全の確保 C:処理基準 D:権限
2 A:地位及び権利 B:輸送実績の向上 C:遵守事項 D:能力
3 A:職務及び権限 B:輸送実績の向上 C:処理基準 D:能力
4 A:地位及び権利 B:運行の安全の確保 C:遵守事項 D:権限
問8 一般貨物自動車運送事業の事業用自動車に係る事故の記録等の保存に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 事業用自動車に係る事故が発生した場合には、事故の発生日時等所定の事項を記録し、その記録を当該事業用自動車の運行を管理する営業所において3年間保存しなければならない。
2 事業用自動車に係る運転者の乗務について、当該乗務を行った運転者ごとに乗務の開始及び終了の地点及び日時並びに主な経過地点及び乗務した距離等所定の事項を記録させ、かつ、その記録を1年間保存しなければならない。
3 運転者が転任、退職その他の理由により運転者でなくなった場合には、直ちに、当該運転者に係る運転者台帳に運転者でなくなった年月日及び理由を記載し、これを3年間保存しなければならない。
4 法令の規定により運行指示書を作成する場合には、運行指示書及びその写しを運行を計画した日から1年間保存しなければならない。
2.道路運送車両法
問9 次の記述のうち、道路運送車両法の目的として誤っているものはどれか。
1 道路運送車両に関し、所有権についての公証等を行うこと
2 道路運送車両に関し、公害の防止その他の環境の保全を図ること
3 道路運送車両に関し、整備についての技術の向上を図ること及び自動車の製造事業の健全な発達に資すること
4 道路運送車両に関し、安全性の確保を図ること
問10 自動車の検査等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。(※法改正により一部改変)
1 自動車の使用者は、自動車検査証記録事項について変更があったときは、その事由があった日から30日以内に、当該変更について、国土交通大臣が行う自動車検査証の変更記録を受けなければならない。
2 国土交通大臣の行う自動車の検査は、新規検査、継続検査、臨時検査、構造等変更検査及び予備検査の5種類である。
3 初めて自動車検査証の交付を受ける車両総重量7,990キログラムの貨物の運送の用に供する自動車については、当該自動車検査証の有効期間は1年である。
4 自動車に表示されている検査標章には、当該自動車の自動車検査証の有効期間の起算日が記載されている。
問11 自動車の点検整備等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を道路運送車両の保安基準に適合するように維持しなければならない。
2 事業用自動車の使用者又は事業用自動車を運行する者は、1日1回、その運行の開始前において、国土交通省令で定める技術上の基準により、灯火装置の点灯、制動装置の作動その他の日常的に点検すべき事項について、目視等により自動車を点検しなければならない。
3 車両総重量8トン以上又は乗車定員30人以上の自動車は、日常点検において「ディスク・ホイールの取付状態が不良でないこと。」について点検しなければならない。
4 事業用自動車の日常点検の結果に基づく運行可否の決定は、整備管理者の助言の内容を踏まえ、運行管理者が行わなければならない。
問12 道路運送車両の保安基準及びその細目を定める告示に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 車両総重量が20トン以上のセミトレーラをけん引するけん引自動車には、灯光の色が黄色であって点滅式の灯火を車体の上部の見やすい箇所に備えることができる。
2 自動車に備えなければならない後写鏡は、取付部付近の自動車の最外側より突出している部分の最下部が地上1.8メートル以下のものは、当該部分が歩行者等に接触した場合に衝撃を緩衝できる構造でなければならない。
3 自動車に備えなければならない方向指示器は、毎分60回以上120回以下の一定の周期で点滅するものでなければならない。
4 貨物の運送の用に供する普通自動車であって、車両総重量が8トン以上又は最大積載量が5トン以上のものには、24時間以上の継続した時間内における当該自動車の瞬間速度等を自動的に記録することができるなど告示で定める基準に適合する運行記録計を備えなければならない。
3.道路交通法
問13 道路交通法に定める用語の意義に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 車両とは、自動車、原動機付自転車及びトロリーバスをいう。
2 停車とは、車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で5分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう。
3 進行妨害とは、車両等が、進行を継続し、又は始めた場合においては危険を防止するため他の車両等がその速度又は方向を急に変更しなければならないこととなるおそれがあるときに、その進行を継続し、又は始めることをいう。
4 路側帯とは、歩行者及び自転車の通行の用に供するため、歩道の設けられていない道路又は道路の歩道の設けられていない側の路端寄りに設けられた帯状の道路の部分で、道路標示によって区画されたものをいう。
問14 駐車を禁止する場所(公安委員会の定めるところにより警察署長の許可を受けたとき等法令により適用しない場合を除く。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 車両は、消防用機械器具の置場若しくは消防用防火水槽の側端又はこれらの道路に接する出入口から7メートル以内の部分においては、駐車してはならない。
2 車両は、人の乗降、貨物の積卸し、駐車又は自動車の格納若しくは修理のため道路外に設けられた施設又は場所の道路に接する自動車用の出入口から3メートル以内の部分においては、駐車してはならない。
3 車両は、道路工事が行われている場合における当該工事区域の側端から5メートル以内の部分においては、駐車してはならない。
4 車両は、法令の規定により駐車する場合に当該車両の右側の道路上に3.5メートル(道路標識等により距離が指定されているときは、その距離)以上の余地がないこととなる場所においては、駐車してはならない。
問15 車両等の運転者の遵守事項に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 車両等に積載している物が道路に転落し、又は飛散したときは、速やかに転落し、又は飛散した物を除去する等道路における危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
2 車両等を離れるときは、その原動機を止めることを要しないが、完全にブレーキをかける等当該車両等が停止の状態を保つため必要な措置を講じなければならない。
3 道路の左側部分に設けられた安全地帯の側方を通過する場合において、当該安全地帯に歩行者がいるときは、徐行しなければならない。
4 監護者が付き添わない児童若しくは幼児が歩行しているときは、一時停止し、又は徐行して、その通行又は歩行を妨げないようにしなければならない。
問16 車両等の運転者が道路交通法令の規定に違反した場合等の措置に関する次の文中、A、B、C、Dに入るべき字句の組合せとして、正しいものはどれか
車両等の運転者が道路交通法若しくは同法に基づく命令の規定又は同法の規定に基づく( A )に違反した場合において、当該違反が当該違反に係る車両等の( B )の業務に関してなされたものであると認めるときは、( C )は、内閣府令で定めるところにより、当該車両等の( B )が道路運送法の規定による自動車運送事業者、貨物利用運送事業法の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者であるときは当該事業者及び( D )に対し、当該違反の内容を通知するものとする。
1 A:処分 B:所有者 C:公安委員会 D:当該事業者の運行管理者
2 A:条件 B:使用者 C:警察署長 D:当該事業者の運行管理者
3 A:条件 B:所有者 C:警察署長 D:当該事業を監督する行政庁
4 A:処分 B:使用者 C:公安委員会 D:当該事業を監督する行政庁
問17 次に掲げる標識のある道路における通行に関する各々の記述について、誤っているものはどれか。
1 車両は、8時から20時までは進入することができない。
2 車両総重量が5,500キログラムの車両は通行することができる。
3 車両総重量が7,980キログラム、最大積載量が4,000キログラムの中型自動車は通行することができない。
4 高さ(積載した貨物の高さを含む。)3.3メートルの車両は通行することができる。
4.労働基準法
問18 労働基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 労働基準法で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。
2 労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。
3 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱いをしてはならない。
4 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしないように努めなければならない。
問19 労働基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。ただし、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。
2 使用者は、法令により認められる場合を除き、満20歳に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。
3 労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において、無効となった部分は、労働基準法で定める基準による。
4 使用者は、労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が労働基準法第65条(産前産後)の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならない。ただし、法令で定める場合においては、この限りでない。
問20 労働基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。
2 使用者は、労働時間が8時間を超える場合においては少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
3 賃金は、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金を除き、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。
4 使用者は、その雇入れの日から起算して6ヵ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。
問21 「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に定める貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の拘束時間に関する次の文中、A、B、C、Dに入るべき字句の組合せとして、正しいものはどれか。ただし、1人乗務で、フェリーには乗船しないものとし、また、隔日勤務に就く場合には該当しないものとする。
(1)拘束時間は、1ヵ月について293時間を超えないものとすること。ただし、労使協定があるときは、1年のうち( A )までは、1年間についての拘束時間が3,516時間を超えない範囲内において、320時間まで延長することができる。
(2)1日についての拘束時間は、( B )を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、最大拘束時間は、16時間とすること。この場合において、1日についての拘束時間が( C )を超える回数は、1週間について( D )以内とすること。
1 A:6ヵ月 B:13時間 C:15時間 D:2回
2 A:8ヵ月 B:12時間 C:14時間 D:3回
3 A:8ヵ月 B:13時間 C:15時間 D:2回
4 A:8ヵ月 B:12時間 C:14時間 D:3回
問22 貨物自動車運送事業の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 運転時間は、2日(始業時刻から起算して48時間をいう。)を平均し1日当たり10時間、2週間を平均し1週間当たり48時間を超えないものとすること。
2 連続運転時間(1回が連続10分以上で、かつ、合計が30分以上の運転の中断をすることなく連続して運転する時間をいう。)は、5時間を超えないものとすること。
3 使用者は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の休息期間については、当該自動車運転者の住所地における休息期間がそれ以外の場所における休息期間より長くなるように努めるものとする。
4 使用者は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者に労働基準法第35条の休日に労働させる場合は、当該労働させる休日は4週間について3回を超えないものとし、当該休日の労働によって改善基準第4条第1項に定める拘束時間及び最大拘束時間の限度を超えないものとする。
問23 下表は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の1週間の勤務状況の例を示したものであるが、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」という。)に定める拘束時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、1人乗務で、フェリーには乗船しないものとし、また、業務の必要上、勤務の終了後継続して、定められた時間以上の休息期間を与えることが困難な場合には該当しないものとする。なお、日曜日は休日とする。
1 1日についての拘束時間が改善基準に定める最大拘束時間に違反する勤務はない。また、勤務終了後の休息期間も改善基準に違反していない。
2 1日についての拘束時間が改善基準に定める最大拘束時間に違反する勤務が1回ある。また、勤務終了後の休息期間は改善基準に違反していない。
3 1日についての拘束時間が改善基準に定める最大拘束時間に違反する勤務が1回ある。また、勤務終了後の休息期間についても改善基準に違反するものが1回ある。
4 1日についての拘束時間が改善基準に定める最大拘束時間に違反する勤務が2回ある。また、勤務終了後の休息期間についても改善基準に違反するものが1回ある。
5.運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力
問24 点呼の実施に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「否」の欄にマークしなさい。
1 乗務前の点呼において、運転者に対し、疲労等により安全な運転をすることができないかどうかの報告を求めたところ「体調に問題はなく、運転に支障はない。」との報告を受けたが、運転者の動作等がいつもと違うように感じられたので、運行管理者は、当該運転者の声、動作、顔色等をさらに注意深く観察するなどして確認したところ、運転に支障がない状態であることが確認できたので乗務させた。
2 乗務後の点呼において、当該乗務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況について報告を求めたところ、運転者から「特に問題はなかった。」との報告を受けた。運転者の酒気帯びの有無については、乗務前の点呼において、酒気帯び状態でないことを目視等及びアルコール検知器で確認しているが、乗務後の点呼においても同様に、運行管理者はその有無について確認をした。
3 乗務後の点呼において、最大積載量が10トンの普通自動車である事業用貨物自動車に乗務した運転者から、「当該事業用自動車に備え付けられている運行記録計が故障しており、当該運行記録計による記録ができない。」との報告を受けた。運行管理者は、直ちに運行記録計の修理を依頼したが、翌日の運行に間に合わないので後日修理することにした。翌日、運行管理者は乗務前の点呼において、当該事業用自動車に乗務する運転者に対し、乗務する事業用自動車の運行記録計が故障しているので、運行時間、休憩時間等を所定の乗務等の記録に確実に記入するよう指示し、乗務させた。
4 3日間にわたる運行を計画し、所属営業所以外の場所において乗務を開始し、終了する2日目の運行は、乗務前及び乗務後の点呼のいずれも対面で行うことができないので電話により行うが、当該乗務の途中における点呼については、運送業務に専念させるため、連絡する必要性がある場合を除き、行わないことにしている。
問25 運行管理に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「否」の欄にマークしなさい。
1 運行管理者制度は、自動車運送事業者が選任した運行管理者に、運行の安全の確保に関する業務を行うために必要な権限を与え、その業務に対する責任を負わせることによって、自動車運送事業における安全対策が的確に実行される体制を確保するためのものである。
2 交通事故の発生の背後には、車両面、走行環境面、あるいは運行管理面などの問題が存在している可能性がある。したがって、交通事故の発生を未然に防止するための対策を講じていくためには、運転者の人的要因とともに、事故が発生した要因について様々な角度から情報を収集、分析する必要がある。また、事故の再発防止対策の検討においては、背後に潜在する危険要因を排除することが重要となる。
3 運行管理者は、過労運転による事故の防止を図るため、運転者ごとに乗務の実績を集計、分析し、運転者の疲労の度合い、個人の能力などに十分配慮して各運転者が適切に乗務できるように努める必要がある。
4 運行管理者は、貨物自動車運送事業法その他の法令に基づく運転者の遵守すべき事項に関する知識のほか、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転に関する技能及び知識について、運転者に対する適切な指導及び監督をしなければならないが、その実施については、個々の運転者の状況に応じて適切な時期に行えばよく、継続的、計画的に行う必要はない。
問26 乗務等の記録、運行指示書等に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「否」の欄にマークしなさい。
1 乗務等の記録は、乗務の開始及び終了した地点、走行距離、貨物の積載状況(車両総重量が8トン以上又は最大積載量が5トン以上の普通自動車である事業用自動車に乗務した場合に限る。)等を運転者ごとに記録することとされているが、乗務員の日常の乗務を運行管理者が把握し、過労となる乗務の防止や運行の適正化を図るために活用するものではなく、運転者に対する賃金の支払いや荷主への運賃請求に活用するためのものである。
2 運行指示書は、乗務前及び乗務後の点呼のいずれも対面で行うことができない乗務を含む運行を行う場合、運行の経路、主な経過地における発車及び到着の日時、運行に際して注意を要する箇所の位置等を記載し、運転者に対して適切な指示を行う等運行の安全を確保するために活用するものである。
3 事業用自動車に係る事故が発生した場合に一般貨物自動車運送事業者が記録しなければならないとされている事故の記録については、死傷者を生じた事故の再発防止に活用するため、加害事故又は被害事故にかかわらず記録しなければならないが、物損事故については記録する必要はない。
4 点呼の記録については、運転者からの報告事項、運転者に対する確認事項及び運行の安全に関する指示事項等を記録することによって、点呼の実施状況を把握し、点呼実施者の責任を明らかにするものであり、事故防止につながる資料ともなるものである。さらには、点呼実施者の引継ぎ資料になることから、要点を漏らさず的確に記録しておく必要がある。
問27 交通事故等の措置に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「否」の欄にマークしなさい。
1 事業用自動車の運転者が運転中、信号機のない交差点を通過しようと交差点に進入したところ、左方から進入してきた乗用車と出会い頭に接触事故を起こした。事故の被害を確認したところ、当方及び相手方の運転者にけがはなく、双方の自動車の損傷も軽微なものであった。相手方の運転者との話し合いの結果、事故はお互いの過失によるものであることから、自動車の修理費用についてはお互いが自己負担することとし、警察官には事故の報告をしないことにした。
2 事業用自動車の運転者が運転中、オートバイと接触事故を起こしオートバイが転倒して運転者が路上に投げ出された。オートバイの運転者が足を負傷し自力で動けなかったので、当該運転者の安全を確保するため歩道に移動させた。双方の事故車両については、事故現場となった道路は車両の往来が激しいため、当該道路における危険を防止する必要があると考え、道路脇の空き地に移動させ、警察官に事故について報告した。
3 事業用自動車の運転者が配送のため運転中、歩行者と接触して歩行者が負傷するという事故を起こした。運転者は救急車の出動を要請するとともに、警察官に事故の発生を報告した。救急車が到着して歩行者を病院に搬送した後に、運転者は報告の際、警察官から事故現場を離れないよう言われていたが、警察官の到着が遅れているようなので、急ぎの配送であり、その届け先が近くであることからすぐに戻れると思い配送を継続し、一時事故現場を離れた。配送終了後直ちに事故現場に戻り警察官の指示に従った。
4 昼間、事業用自動車の運転者が高速道路を走行中、アクセルを踏んでも速度が上がらず徐々にスピードが落ちてきて今にも停止しそうになったため、やむを得ず当該自動車が停車することができる幅のある路側帯に停車させ、昼間用の停止表示器材を当該自動車の後方に置いて、後続車両に駐車していることを知らせるとともに、非常電話で当該自動車の移動を依頼した。
問28 事業用自動車の運転者(以下「運転者」という。)の健康管理に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「否」の欄にマークしなさい。
1 運転者が睡眠時無呼吸症候群(以下「SAS」という。)を有する場合、居眠り運転等により重大事故を引き起こす可能性が大きくなる。このため、運転者に医師による問診を受けさせ、疑いのある運転者にSASのスクリーニング検査を行うことが望ましい。
2 運行管理者は、運転者の健康状態に起因する事業用自動車の事故を防止するため、運転者に対し、疾病が交通事故の要因となるおそれがあることを理解させ、事業者が行う医師による定期的な健康診断の結果に基づいて生活習慣の改善を図るなど適切な健康管理を行うことの重要性を理解させる必要がある。
3 常習的な飲酒運転の背景には、アルコール依存症という病気があるといわれているが、この病気は専門医による早期の治療をすることにより回復が可能とされており、一度回復すると飲酒しても再発することはないことから、アルコール依存症から回復した運転者に対しては、飲酒に関する指導を行う必要はない。
4 日頃から健康状態に不安のある運転者から、事業者が行う医師による定期的な健康診断の結果において「異常の所見がある。」との申告があった。運行管理者は今後も乗務させてよいか判断に迷ったので、事業者に対して、乗務の可否、乗務させる場合の配慮すべき事項等についての意見を、担当医師に求めるよう要請した。
問29 下図は、最大積載量9,000キログラム、車両総重量が18,500キログラムの貨物の運送の用に供する普通自動車である事業用自動車に備えられた運行記録計の記録を示したものであるが、下図に記録された当該自動車の運行を解析した次の記述のうち、正しいものをすべて選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。ただし、ここで運行した一般道路及び高速自動車国道(以下「高速道路」という。)は道路標識等により最高速度が指定されていないものとする。
1 運行開始から運行終了までの走行距離は234キロメートルである。
2 一般道路の走行において、最高速度違反は見られない。
3 高速道路の走行において、最高速度違反が見られる。
4 「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に定める連続運転時間の違反は見られない。
問30 荷主から貨物自動車運送事業者に対し、B地点で荷積みをし、C地点に10時30分に到着させるよう運送の依頼があった。これを受けて、運行管理者として運転者に対し当該運送の指示をするため、次に示す運行の計画を立てた。
<運転者に指示するための運行計画の条件>
〇A営業所を出庫して9キロメートル離れたB地点まで平均時速30キロメートルで走行する。
〇B地点において40分間の荷扱い
〇B地点から68キロメートル離れたC地点まで、平均時速40キロメートルで走行し、C地点の到着時刻を10時30分とした。
〇荷下ろし後、A営業所に帰庫するため、C地点を11時50分に出発し、D地点で運転者に60分の休憩をとらせることにする。
〇D地点から42キロメートル離れたA営業所に帰庫する時刻を14時20分とした。
〇C地点からD地点まで及びD地点からA営業所まで、それぞれ平均時速40キロメートルで走行する。
この場合において、
(1)A営業所を出庫する時刻
(2)C地点とD地点間の距離を、それぞれ解答用紙の該当する数字の欄にマークして解答しなさい。なお、解答の数値に十の位がない場合は、解答用紙の十位の「0」欄をマークしなさい。