問23 下表は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の1ヵ月の勤務状況の例を示したものであるが、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」という。)に定める運転時間に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、1人乗務とし、「1ヵ月についての拘束時間の延長に関する労使協定」があり、下表の1ヵ月は、当該協定により1ヵ月についての拘束時間を延長することができる月に該当するものとする。
1.当該5週間のすべての日を特定日とした2日を平均し1日当たりの運転時間(以下「1日当たりの運転時間」という。)及び2週間を平均し1週間当たりの運転時間(以下「1週間当たりの運転時間」という。)は、改善基準に違反しているものがある。
2.1日当たりの運転時間は改善基準に違反しているものがあるが、1週間当たりの運転時間は改善基準に違反しているものはない。
3.1日当たりの運転時間は改善基準に違反しているものはないが、1週間当たりの運転時間は改善基準に違反しているものがある。
4.1日当たりの運転時間及び1週間当たりの運転時間は、改善基準に違反しているものはない。
問23 正解1
運転時間は、2日を平均し1日当たり9時間、2週間を平均し1週間当たり44時間を超えてはならない。
<1日当たりの運転時間について>
1日の運転時間の計算に当たっては、特定の日を起算日として前後2日ごとに区切り、その2日間の平均を算出し、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」と「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」が、ともに9時間を超えている場合は改善基準に違反していることになる。(※「どちらも9時間を超えていない場合」や「どちらか一方だけが9時間を超えている場合」は違反にはならない)
本問の勤務状況を見ると、11日を特定日とした場合、「特定日の前日(10日)と特定日(11日)の運転時間の平均」が(10時間+9時間)÷2=9.5時間、「特定日(11日)と特定日の翌日(12日)の運転時間の平均」が(9時間+10時間)÷2=9.5時間であり、どちらも9時間を超えているため、改善基準に違反している。
<1週間当たりの運転時間について>
1週間の運転時間の計算に当たっては、特定の日を起算日として2週間ごとに区切り、その2週間ごとに平均を計算し、「2週間を平均した1週間当たりの運転時間が44時間を超えている場合」は改善基準に違反していることになる。
本問の場合、問題の表の下に「(注1)2週間の起算日は1日とする。」との注意書きがあるので、1日を起算日として2週間ごとに区切り、「第1週~第2週(1日~14日)の運転時間の平均」と「第3週~第4週(15日~28日)の運転時間の平均」でそれぞれ違反の有無を判断する。(※「1日から2週間ごと」に区切って考えるので、「第2週~第3週(8日~21日)の運転時間の平均」を考慮する必要はない)
本問の勤務状況を見ると、「第1週~第2週の運転時間の平均」が(48時間+44時間)÷2=46時間であり、44時間を超えているため、改善基準に違反している。
以上により、「1日当たりの運転時間及び1週間当たりの運転時間は、改善基準に違反しているものがある」ため、肢1が正解となる。