運行管理者試験過去問題 - 平成29年度第1回(貨物)
平成29年度第1回 -貨物-(H29.8実施)
問24 点呼の実施に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。(※法改正により一部改変)
1.A営業所では運行管理者が、運転者に対する業務前点呼はアルコール検知器を使用し対面により行っており、帰庫後の運転者への業務後点呼は、運行管理者が営業所に不在の場合には電話で実施している。
2.事業用自動車の運転者が運行中に道路のガードレールに接触するという物損事故を起こしたため、警察官の事故処理に立ち会った後に所属する営業所に帰庫した。業務後の点呼において、運転者から当該事故の報告を受けたが、物損事故であることから、点呼記録表に記録しなかった。
3.複数日にわたる事業用トラックの運行で、2日目は業務前及び業務後の点呼のいずれも対面で行うことができない業務のため、携帯電話により中間点呼を実施し、その結果特に問題がなかったので点呼記録表に記録しなかった。しかし、業務後の点呼についてはその結果を点呼記録表に記録した。
4.A営業所においては、運行管理者は昼間のみの勤務体制となっている。しかし、運行管理者が不在となる時間帯の点呼が当該営業所における点呼の総回数の6割を超えていないことから、その時間帯における点呼については、事業者が選任した複数の運行管理者の補助者に実施させている。
問25 一般貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導・監督に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1.時速36キロメートルで走行中の自動車の運転者が、前車との追突の危険を認知しブレーキ操作を行い、ブレーキが効きはじめるまでに要する空走時間を1秒間とし、ブレーキが効きはじめてから停止するまでに走る制動距離を8メートルとすると、当該自動車の停止距離は13メートルとなることを指導している。
2.危険ドラッグ等の薬物を使用して運転した場合には、重大な事故を引き起こす危険性が高まり、その結果取り返しのつかない被害を生じることもあることから、運行管理者は、常日頃からこれらの薬物を使用しないよう、運転者等に対し強く指導している。
3.大雨、大雪、土砂災害などの異常気象時の措置については、異常気象時等処理要領を作成し運転者全員に周知させておくとともに、運転者とも速やかに連絡がとれるよう緊急時における連絡体制を整えているので、事業用自動車の運行の中断、待避所の確保、徐行運転等の運転に関わることについてはすべて運転者の判断に任せ、中断、待避したときは報告するよう指導している。
4.実際の事故事例やヒヤリハット事例のドライブレコーダー映像を活用して、事故前にどのような危険が潜んでいるか、それを回避するにはどのような運転をすべきかなどを運転者に考えさせる等、実事例に基づいた危険予知訓練を実施している。
問26 運行管理者の日常業務の記録等に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。(※法改正により一部改変)
1.運行管理者は、選任された運転者ごとに採用時に提出させた履歴書が、法令で定める運転者等台帳の記載事項の内容を概ね網羅していることから、これを当該台帳として使用し、牽引簿なども作成のうえ、営業所に備え管理をしている。
2.運行管理者は、運行記録計により記録される「瞬間速度」、「運行距離」及び 「運行時間」等により運転者の運行の実態や車両の運行の実態を分析し、運転者の日常の乗務を把握し、過労運転の防止及び運行の適正化を図る資料として活用しており、この運行記録計の記録を1年間保存している。
3.運行管理者は、事業用自動車の運転者として新たに雇い入れた場合には、自動車安全運転センターが交付する運転記録証明書等により、交通事故歴等を確認している。また、業務前点呼において運転者に運転免許証の提示を求め、確認している。
4.運行管理者は、運転者に法令に基づく運行指示書を携行させ、運行させている途中において、自然災害により運行経路の変更を余儀なくされた。このため、当該運行管理者は、営業所に保管する当該運行指示書の写しにその変更した内容を記載するとともに、当該運転者に対して電話等により変更の指示を行ったが、携行させている運行指示書については帰庫後提出させ、運行管理者自ら当該変更内容を記載のうえ保管し、運行の安全確保を図った。
問27 事業用自動車の運転者の健康管理に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1.事業者は、業務に従事する運転者に対し法令で定める健康診断を受診させ、その結果に基づいて健康診断個人票を作成して5年間保存している。また、運転者が自ら受けた健康診断の結果についても同様に保存している。
2.運転者が運転中に安全運転の継続が困難となるような体調不良や異常を感じた場合、速やかに安全な場所に事業用自動車を停止させ、運行管理者に連絡し、指示を受けるよう指導している。また、その後の運行再開の可否については、体調の状況を運転者が自ら判断し決定するよう指導している。
3.事業者は、深夜(夜11時出庫)を中心とした業務に常時従事する運転者に対し、法令に定める定期健康診断を1年に1回、必ず、定期的に受診させるようにしている。
4.近年、脳卒中や心臓病などに起因した運転中の突然死による事故が増加傾向にあるが、これらの病気の要因が生活習慣に関係していることから生活習慣病と呼ばれている。この病気は、暴飲暴食や運動不足などの習慣が積み重なって発病するので、定期的な健康診断の結果に基づいて生活習慣の改善を図るよう運転者に対し呼びかけている。
問28 自動車の運転に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1.自動車のハンドルを左に切り旋回した場合、左側の後輪が左側の前輪の軌跡に対し内側を通ることとなり、この前後輪の軌跡の差を内輪差という。ホイールベースの長い大型車ほどこの内輪差が大きくなることから、運転者に対し、交差点での左折時には、内輪差による歩行者や自転車等との接触、巻き込み事故に注意するよう指導する必要がある。
2.前方の自動車を大型車と乗用車から同じ距離で見た場合、それぞれの視界や見え方が異なり、大型車の場合には運転席が高いため、車間距離をつめてもあまり危険を感じない傾向となるので、この点に注意して常に適正な車間距離をとるよう運転者を指導する必要がある。
3.運転中の車外への脇見だけでなく、車内にある画像表示用装置を注視したり、スマートフォン等を使用することによって大幅に追突事故等の危険性が増加することについて、日頃から運転者に対して指導する必要がある。
4.四輪車を運転する場合、二輪車との衝突事故を防止するための注意点として、(1)二輪車は死角に入りやすいため、その存在に気づきにくく、また、(2)二輪車は速度が実際より速く感じたり、距離が近くに見えたりする特性がある。したがって、運転者に対してこのような点に注意するよう指導する必要がある。
問29 交通事故防止対策に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1.適性診断は、運転者の運転行動、運転態度及び性格等を客観的に把握し、安全運転にとって、好ましい方向へ変化するよう動機づけすることにより、運転者自身の安全意識を向上させるためのものであり、ヒューマンエラーによる交通事故の発生を未然に防止するための有効な手段となっている。
2.平成27年中の事業用貨物自動車が第1当事者となった人身事故の類型別発生状況をみると、「出会い頭衝突」が最も多く、全体の約半分を占めており、続いて「追突」の順となっている。このため、運転者に対し、特に、交差点における一時停止の確実な履行と安全確認の徹底を指導する必要がある。
3.平成27年中の交通事故死者数のうち、65歳以上の高齢者の占める割合は、全体の約5割である。このため、運転者に対し、高齢の歩行者などは身体的機能の低下により危険の発見、回避が遅れることなどを考慮して運転するよう指導する必要がある。
4.衝突被害軽減ブレーキは、レーダー等で検知して前方の車両等に衝突する危険性が生じた場合に運転者にブレーキ操作を行うよう促し、さらに衝突する可能性が高くなると自動的にブレーキが作動し、衝突による被害を軽減させるためのものである。当該ブレーキが備えられている自動車に乗務する運転者に対しては、当該ブレーキの機能等を正しく理解させる必要がある。
問30 荷主から貨物自動車運送事業者に対し、B地点で荷積みをし、C地点に11時半頃を目標に到着させるよう運送の依頼があった。これを受けて、運行管理者として運転者に対し当該運送の指示をするため、次に示す「当日の運行計画を策定するための前提条件」に基づき運行計画を立てた。
この運行に関する次のア~ウについて解答しなさい。なお、解答にあたっては、「当日の運行計画を策定するための前提条件」に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
「当日の運行計画を策定するための前提条件」
〇 A営業所を6時に出庫し、30キロメートル離れたB地点まで平均時速30キロメートルで走行する。
〇 B地点において20分間の荷積みを行う。
〇 B地点から160キロメートル離れたC地点までの間、一部高速自動車国道を利用し、平均時速40キロメートルで走行して、C地点に11時20分に到着する。
〇 C地点において20分間の荷下ろし後、1時間の休憩をとる。休憩後、A営業所に帰庫するため、C地点を12時40分に出発し、一般道路を利用して、D地点まで平均時速30キロメートルで走行する。
〇 D地点に15時40分に到着し、1時間の休憩をとる。
〇 帰庫のためD地点から60キロメートル離れたA営業所まで平均時速30キロメートルで走行する。
ア C地点とD地点の間の距離について、次の1~3の中から正しいものを1つ選び、解答用紙にマークしなさい。
1.60キロメートル 2.90キロメートル 3.130キロメートル
イ 当該運転者がA営業所に帰庫する時刻について、次の1~3の中から正しいものを1つ選び、解答用紙にマークしなさい。
1.17時40分 2.18時40分 3.20時00分
ウ 当日の全運行において、連続運転時間は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に照らし、違反しているか否かについて、次の1~2の中から正しいものを1つ選び、解答用紙にマークしなさい。
1.違反している 2.違反していない