運行管理者試験過去問題 - 令和3年度CBT試験 出題例(貨物)解答・解説
令和3年度CBT試験 出題例【解答・解説】
【解答一覧】
問01:2,3
問02:A8 B3 C5 D1
問03:2,4
問04:1,2
問05:2,4
問06:2
問07:4
問08:1,2
問09:2,4
問10:4
問11:A1 B2 C2 D1
問12:3
問13:1
問14:3,4
問15:A1 B2 C1
問16:2,4
問17:4
問18:1,2
問19:1
問20:A1 B1 C1 D2
問21:1,2
問22:1,2
問23:4
問24:A5 B7 C3
問25:3
問26:2,3
問27:1,2
問28:A1 B1 C2 D1
問29:2,2,1
問30:3
1.貨物自動車運送事業法
問1 正解2,3
1.誤り。「自動車車庫の位置及び収容能力」の事業計画の変更については、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
4.誤り。「主たる事務所の名称及び位置」の事業計画の変更をしたときは、遅滞なくその旨を、国土交通大臣に届け出なければならない。「あらかじめ」届け出なければならないわけではない。
問2 正解A8 B3 C5 D1
1.運行管理者は、(A=誠実)にその業務を行わなければならない。
2.一般貨物自動車運送事業者は、運行管理者に対し、法令で定める業務を行うため必要な(B=権限)を与えなければならない。
3.一般貨物自動車運送事業者は、運行管理者がその業務として行う(C=助言)を尊重しなければならず、事業用自動車の運転者その他の従業員は、運行管理者がその業務として行う(D=指導)に従わなければならない。
問3 正解2,4
1.誤り。運行管理者の業務は、「乗務員等が休憩又は睡眠のために利用することができる施設を適切に管理すること」である。施設の整備や保守については事業者の義務であり、運行管理者の業務ではない。
3.誤り。運行管理者の業務は、「点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示を与え、並びに記録し、及びその記録を保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること」である。「備え置くこと」ではない。
問4 正解1,2
3.誤り。Gマーク営業所以外であっても、(1)開設されてから3年を経過していること。(2)過去3年間点呼の違反に係る行政処分又は警告を受けていないことなどに該当する営業所にあっては、当該営業所と当該営業所の車庫間において、IT点呼を実施できる。
4.誤り。Gマーク営業所間で行うIT点呼の実施は、1営業日のうち連続する16時間以内としなければならない。
問5 正解2,4
1.報告を要しない。「重傷者を生じた事故」があった場合には事故の報告を要するが、ここでいう重傷とは「腕などの骨折や内臓の破裂」、「14日以上病院に入院することを要する傷害」又は「病院に入院することを要する傷害で医師の治療を要する期間が30日以上のもの」のことをいい、「通院による40日間の医師の治療を要する傷害」は重傷には該当しないので、事故の報告を要しない。
2.報告を要する。本事故は「道路運送車両法に規定する自動車の装置の故障により、自動車が運行できなくなったもの」に該当するので、事故の報告を要する。
3.報告を要しない。「転落事故」があった場合には事故の報告を要するが、ここでいう「転落」とは、「道路外に転落した場合で、落差が0.5メートル以上のとき」をいうので、落差が0.3メートルの本事故は該当しない。
4.報告を要する。本事故は「自動車に積載された危険物等が漏えいしたもの」に該当するので、事故の報告を要する。
問6 正解2
2.誤り。運転者等の業務について、当該事業用自動車の瞬間速度、運行距離及び運行時間を運行記録計により記録しなければならない車両は、車両総重量が7トン以上又は最大積載量が4トン以上の普通自動車である。
問7 正解4
4.誤り。初任運転者に対する特別な指導は、法令に基づき運転者が遵守すべき事項、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転に関する事項などについて15時間以上実施するとともに、安全運転の実技について20時間以上実施する。
問8 正解1,2
3.誤り。運行指示書は、運行の終了の日から1年間保存しなければならない。「運行を計画した日」ではない。
4.誤り。「運転者でなくなった者に係る運転者等台帳」は、3年間保存しなければならない。
2.道路運送車両法
問9 正解2,4
1.誤り。自動車の所有者に変更があったときは、新所有者は、その事由があった日から15日以内に、移転登録の申請をしなければならない。
3.誤り。臨時運行許可証の有効期間が満了したときは、その日から5日以内に、臨時運行許可証等を行政庁に返納しなければならない。
問10 正解4
4.誤り。車両総重量8トン以上又は乗車定員30人以上の自動車の使用者は、スペアタイヤの取付状態等について、3ヵ月ごとに自動車を点検しなければならない。
問11 正解 A1 B2 C2 D1
1.自動車運送事業の用に供する自動車の使用者は、(A=3ヵ月)ごとに国土交通省令で定める技術上の基準により、自動車を点検しなければならない。
2.自動車の使用者は、自動車の点検及び整備等に関する事項を処理させるため、車両総重量8トン以上の自動車その他の国土交通省令で定める自動車であって国土交通省令で定める台数以上のものの使用の本拠ごとに、自動車の点検及び整備に関する実務の経験その他について国土交通省令で定める一定の要件を備える者のうちから、(B=整備管理者)を選任しなければならない。
3.地方運輸局長は、保安基準に適合しない状態にある当該自動車の使用者に対し、当該自動車が保安基準に適合するに至るまでの間の運行に関し、当該自動車の使用の方法又は経路の制限その他の保安上又は(C=公害防止)その他の環境保全上必要な指示をすることができる。
4.事業用自動車の使用者又は当該自動車を運行する者は、1日1回、その運行開始前において、国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を(D=点検)しなければならない。
問12 正解3
3.誤り。空気入ゴムタイヤの滑り止めの溝は、空気入ゴムタイヤの接地部の全幅にわたり滑り止めのために施されている凹部(所定の部分を除く。)のいずれの部分においても1.6ミリメートル以上の深さを有すること。
3.道路交通法
問13 正解1
肢1の自動車(乗車定員2人、最大積載量6,250kg、車両総重量10,110kgの貨物自動車)は、中型自動車である。なお、大型自動車は、「車両総重量11,000kg以上、最大積載量6,500 kg以上又は乗車定員30人以上の自動車」をいう。
問14 正解3,4
1.誤り。同一方向に進行しながら進路を左方又は右方に変えるとき(進路変更)の合図を行う時期は、その行為をしようとする時の3秒前のときである。
2.誤り。車両は、道路の中央から左の部分の幅員が6メートルに満たない道路において、他の車両を追い越そうとするときは、道路の中央から右の部分にその全部又は一部をはみ出して通行することができる。
問15 正解 A1 B2 C1
(1) 何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
(2) 何人も、酒気を帯びている者で、(1)の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがあるものに対し、(A=車両等を提供)してはならない。
(3) 何人も、(1)の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。
(4) 何人も、車両(トロリーバス及び旅客自動車運送事業の用に供する自動車で当該業務に従事中のものその他の政令で定める自動車を除く。)の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、当該運転者に対し、当該車両を運転して自己を運送することを要求し、又は依頼して、当該運転者が(1)の規定に違反して運転する(B=車両に同乗)してはならない。
(5) (1)の規定に違反して車両等(軽車両を除く。)を運転した者で、その運転をした場合において身体に血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき(C=0.15)ミリグラム以上にアルコールを保有する状態にあったものは、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
問16 正解2,4
肢1は、「車両の横断(道路外の施設又は場所に出入するための左折を伴う横断を除く。)を禁止する」ことを意味する「車両横断禁止」の道路標識である。
肢3は、「車両総重量8トン以上又は最大積載量5トン以上の貨物自動車等」の通行を禁止する「大型貨物自動車等通行止め」の標識である。したがって、本肢のような「車両総重量が8トン未満で、かつ最大積載量が5トン未満の貨物自動車」は通行できる。
問17 正解4
4.誤り。身体障害者用の車(車椅子や電動車椅子など)が通行しているときは、一時停止し、又は徐行して、その通行を妨げないようにしなければならない。
4.労働基準法
問18 正解1,2
3.誤り。「平均賃金」とは、算定すべき事由の発生した日以前3ヵ月間に労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。
4.誤り。出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。
問19 正解1
1.誤り。使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを届け出た場合には、その協定で定めるところによって時間外労働、又は休日労働をさせることができる。
問20 正解 A1 B1 C1 D2
1.拘束時間は、1ヵ月について284時間を超えず、かつ、1年について(A=3,300時間)を超えないものとすること。ただし、労使協定により、1年について6ヵ月までは、1ヵ月について(B=310時間)まで延長することができ、かつ、1年について(C=3,400時間)まで延長することができる。
2.トラック運転者のフェリー乗船時間は、原則として(D=休息期間)として取り扱うものとする。
問21 正解1,2
3.誤り。1日の拘束時間は13時間 を超えないものとし、延長する場合でも、最大拘束時間は15時間 とすること。その他の記述は正しい。
4.誤り。後半の記述が誤り。休息期間を2分割又は3分割して与える場合、1日において、2分割の場合は合計10時間以上、3分割の場合は合計12時間以上の休息期間を与えなければならない。その他の記述は正しい。
問22 正解1,2
連続運転時間(1回がおおむね連続10分以上で、かつ、合計が30分以上の運転の中断をすることなく連続して運転する時間)は、4時間を超えてはならない。
連続運転時間が改善基準に違反しているかどうかは、運転開始後4時間以内又は4時間経過直後に、「30分以上の運転中断」をしているかどうかで判断するが、この「30分以上の運転中断」については、少なくとも1回につき「おおむね連続10分以上」とした上で分割することもできる。(※「5分以内」の中断は、「おおむね連続10分以上」と乖離しているため、運転中断の時間として扱われない)
つまり、“運転時間の合計が4時間を超える前に「合計30分以上の運転中断」をしなければならない(=「運転中断の時間が合計30分に達した時点」で連続運転時間がリセットされる)”ということであり、「合計30分以上の運転中断」をする前に運転時間の合計が4時間を超えてしまった場合、改善基準に違反する。
以上を踏まえ、連続運転時間の違反の有無は以下のように判断する。
1.適合している。前半(3回目の休憩:10分まで)は、4時間の運転(1回目:30分+2回目:3時間+3回目:30分)に対し、合計30分の休憩(1回目:10分+2回目:10分+3回目:10分)をしているので問題なく、その後も1時間の運転後に30分の休憩をしているので問題ない。
後半(5回目の運転~)も4時間の運転(5回目:1時間30分+6回目:2時間+7回目:30分)後に乗務を終了しているので問題ない。
2.適合している。前半(2回目の休憩:20分まで)は、4時間以内の運転(1回目:2時間+2回目:1時間30分=3時間30分)に対し、合計30分の休憩(1回目:10分+2回目:20分)をしているので問題ない。
中間(3回目の運転~5回目の休憩:10分まで)も4時間の運転(3回目:1時間+4回目:2時間+5回目:1時間)に対し、合計30分の休憩(3回目:10分+4回目:10分+5回目:10分)をしているので問題ない。
後半(6回目の運転~)は、最後の休憩(5分)が「おおむね連続10分以上」に該当しないので運転中断の時間として扱われないが、4時間以内の運転(6回目:1時間+7回目:2時間=3時間)後に乗務を終了しているので問題ない。
3.適合していない。前半(2回目の休憩:20分まで)は、4時間以内の運転(1回目:2時間+2回目:1時間30分=3時間30分)に対し、合計30分の休憩(1回目:10分+2回目:20分)をしているので問題ない。
中間(3回目の運転~4回目の休憩:30分まで)も4時間以内の運転(3回目:1時間+4回目:2時間=3時間)に対し、合計30分以上の休憩(3回目:10分+4回目:30分=40分)をしているので問題ない。
しかし、後半(5回目の運転~)を見ると、〔運転1時間⇒休憩10分⇒運転1時間30分⇒休憩10分⇒運転2時間〕という運転状況であり、「30分以上の運転中断」をする前に運転時間の合計が4時間を超えている(=4時間30分)ので、改善基準に違反している。
4.適合していない。3回目の休憩(5分)は「おおむね連続10分以上」に該当せず、運転中断の時間として扱われないので、乗務開始からの運転状況は〔運転1時間⇒休憩10分⇒運転1時間30分⇒休憩15分⇒運転2時間(3回目の運転:1時間+4回目の運転:1時間)…〕となり、「30分以上の運転中断」をする前に運転時間の合計が4時間を超えている(=4時間30分)ので、改善基準に違反している。
問23 正解4
トラック運転者の拘束時間は、1ヵ月について284時間を超えず、かつ、1年について3,300時間を超えてはならないが、労使協定があるときは、1年について6ヵ月までは、1ヵ月について310時間まで延長することができ、かつ、1年について3,400時間まで延長することができる。ただし、1ヵ月の拘束時間が284時間を超える月が3ヵ月を超えて連続してはならない。
つまり、(1)1年間の拘束時間が3,400時間を超えている、(2)拘束時間が310時間を超えている月がある、(3)拘束時間が284時間を超えている月が6ヵ月を超えている(=7ヵ月以上ある)、(4)拘束時間が284時間を超えている月が連続3ヵ月を超えている(=4ヵ月以上連続している)のいずれかに該当する場合、改善基準に違反する。
1.改善基準に適合していない。1年間の拘束時間が3,400時間を超えている。
2.改善基準に適合していない。12月の拘束時間が310時間を超えている。
3.改善基準に適合していない。拘束時間が284時間を超える月が7ヵ月(4月、7月、8月、11月、12月、1月、3月)ある。
4.改善基準に適合している。1年間の拘束時間は3,400時間を超えず、拘束時間が310時間を超える月もない。また、拘束時間が284時間を超える月は6ヵ月(6月、8月、10月、12月、1月、2月)であり、連続3ヵ月まで(12月~2月)である。
5.運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力
問24 正解 A5 B7 C3
運転者に対する点呼の際は、運転者ごとに点呼を行った旨、報告、確認及び指示の内容など所定の事項を記録することとされているが、具体的には以下の通りである。
上記項目と設問の記録表の項目を比較すると、空欄Aには「指示事項」、空欄Bには「疾病・疲労・睡眠不足等の状況」、空欄Cには「運転者交替時の通告内容」が入ることがわかる。
※上記の記録事項を正確に覚えていなかったとしても、前述したように、点呼の記録には、「報告、確認及び指示の内容」を記録しなければならないので、安全規則7条1項~3項に規定されている内容を覚えていれば、以下のように考えて解くことも可能である。
運転者に対する業務前点呼では、「酒気帯びの有無」、「疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無」、「日常点検の実施又はその確認」について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示を与えなければならない。
したがって、空欄Aには「指示事項」が入る。
運転者に対する中間点呼では、「酒気帯びの有無」、「疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無」について報告を求め、及び確認を行い、並びに事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。
したがって、空欄Bには「疾病・疲労・睡眠不足等の状況」が入る。
運転者に対する業務後点呼では、「当該業務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況」について報告を求め、かつ、「酒気帯びの有無」について確認を行わなければならない。この場合において、当該運転者が他の運転者と交替した場合にあっては、「当該運転者が交替した運転者に対して行った法令の規定による通告」についても報告を求めなければならない。
したがって、空欄Cには「運転者交替時の通告内容」が入る。
問25 正解3
1.適切でない。交通事故を起こした場合、直ちに運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。したがって、本肢のような場合、まず最初に負傷者を救護し、道路における危険の防止、警察への報告など必要な措置を講じた後に運行管理者に連絡すべきである。
2.適切でない。他の自動車に追従して走行するときは、自車の速度と停止距離に留意し、前車との追突等の危険が発生した場合でも安全に停止できるような車間距離を保って運転するよう指導する必要がある。
「停止距離」とは「危険を認知してから停止するまでに走った距離」のことであり、空走距離(=危険を認知しブレーキ操作を行い、ブレーキが効きはじめるまでに走った距離)と制動距離(=ブレーキが効きはじめてから止まるまでに走った距離)とを合わせた距離をいう。
安全な車間距離の目安は、一般的に「停止距離以上の距離」とされており、「制動距離と同程度の車間距離」では、急ブレーキの際に前車に追突する危険がある。
4.適切でない。飲酒により体内に入ったアルコールの処理時間については、アルコール5%のビール500ミリリットル場合、概ね4時間が目安とされている。
問26 正解2,3
1.適切でない。健康診断個人票は、5年間保存しなければならない。
4.適切でない。運行管理者は、乗務員等の健康状態の把握に努め、疾病等により安全に運行の業務を遂行することができないおそれがある乗務員等を事業用自動車の運行の業務に従事させてはならない。本記述のような場合、運行再開の可否については、運転者の体調を考慮した上で運行管理者が判断すべきであり、運転者が自ら判断し決定するよう指導することは適切ではない。
問27 正解1,2
3.適切でない。(2)の記述が適切ではない。四輪車を運転する場合、二輪車は速度が実際より遅く感じたり、距離が遠くに見えたりする特性がある。
4.適切でない。ハンドルを左に切り旋回した場合、左側の後輪が左側の前輪の軌跡に対し内側を通ることとなり、この前後輪の軌跡の差を内輪差という。大型車などホイールベースが長いほど内輪差が大きくなる。
問28 正解 A1 B1 C2 D1
1.自動車の夜間の走行時において、自車のライトと対向車のライトで、お互いの光が反射し合い、その間にいる歩行者や自転車が見えなくなることを(A=蒸発現象)という。
2.自動車がカーブを走行するとき、自動車の重量及びカーブの半径が同一の場合に、速度を2分の1に落として走行すると遠心力の大きさは(B=4分の1)になる。
3.長い下り坂などでフット・ブレーキを使い過ぎるとブレーキ・ドラムやブレーキ・ライニングなどが摩擦のため過熱することによりドラムとライニングの間の摩擦力が減り、制動力が低下することを(C=フェード現象)という。
4.自動車が衝突するときの衝撃力は、車両総重量が2倍になると(D=2倍)になる。
問29 正解2,2,1
1.C料金所~D料金所間の高速道路の運転時間を2時間と設定したことについて
「C料金所~D料金所間(200km)を、設定された運転時間(2時間)で走行できるか」を考えるが、「車両総重量が8トン以上又は最大積載量が5トン以上のトラック」が高速道路の本線車道を走行する際の最高速度は時速90kmとされており、本運行で使用する自動車も該当する。(※「〇以上」は、「〇を含み、その上の範囲」という意味である)
以上を踏まえ、以下(1)~(3)のいずれの解法で正誤判断してもよい。
〇解法(1)※走行距離から正誤判断
時速90kmで2時間走行した場合、90km/h×2時間=180kmなので、設定時間では180kmの距離しか走行できない。
〇解法(2)※運転時間から正誤判断
200kmの距離を時速90kmで走行する場合、200km÷90km/h≒2.3(2.22…)時間、これを「分」に変換すると2.3時間×60分=138分(2時間18分)なので、運転時間を2時間18分以上に設定しなければ設定時間内に走行できない。。
〇解法(3)※平均速度(時速)から正誤判断
200kmの距離を2時間で走行する場合、200km÷2時間=100km/hなので、時速100km以上で走行できなければ設定時間内に走行できない。
したがって、C料金所~D料金所間の運転時間を2時間と設定したことは適切ではない。
2.運行当日を特定日とした場合の2日を平均した1日当たりの運転時間の違反の有無
1日の運転時間については、2日を平均し1日当たり9時間を超えてはならない。
1日の運転時間の計算に当たっては、特定の日を起算日として前後2日ごとに区切り、その2日間の平均を算出し、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」と「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」が、ともに9時間を超えている場合は改善基準に違反していることになる。(※「どちらも9時間を超えていない場合」や「どちらか一方だけが9時間を超えている場合」は違反にはならない!)
以上を踏まえ、まず、運行当日の運転時間を算出するが、運転時間は「距離÷時速」で求めることができるので、運行当日の運転時間は以下のように求める。
(往路の運転時間)
・A営業所~B地点:20km÷30km/h=2/3時間=40分(※1)
・B地点~C料金所:5km÷30km/h=5/30時間=1/6時間=10分(※2)
・C料金所~D料金所:2時間(※問題図より)
・D料金所~E地点:5km÷30km/h=5/30時間=1/6時間=10分(※2)
(復路の運転時間)
・E地点~F地点:30km÷30km/h=1時間
・F地点~G地点:90km÷30km/h=3時間
・G地点~A営業所:40km÷30km/h=4/3時間=1と1/3時間=1時間20分(※3)
各運転時間を合計すると8時間20分となる。
したがって、前日の運転時間が9時間20分(※問題文より)、当日の運転時間が8時間20分であり、翌日の運転時間は9時間20分(※問題文より)を予定しているので、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」が(9時間20分+8時間20分)÷2=8時間50分、「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」が(8時間20分+9時間20分)÷2=8時間50分となる。
結果、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」及び「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」どちらも9時間を超えておらず、改善基準に違反していない。
3.連続運転時間の違反の有無
問22の解説にもあるように、連続運転時間は4時間を超えてはならない。
なお、「運転の中断」は、原則として「休憩」を与えることとされているる。
設問2で求めた運転時間を当てはめると運転状況は以下のようになる。
往路については、4時間以内の運転(40分+2時間20分=3時間)後にE地点で1時間の休憩をしているので問題ない。
しかし、復路については、まず1時間の運転後にF地点で30分の休憩をしているので、ここまでは問題ないが、その後、休憩をせずに合計4時間20分(3時間+1時間20分)の運転をしているため、改善基準告示に違反している。
問30 正解3
※本問のような「事故の再発を防止する対策として最も直接的に有効なもの」を選ぶ問題については、問題で問われている「最も直接的に有効な内容のもの」を考えるより、逆に「事故の原因とは直接的に関係ない内容のもの」を削除していった方が解答しやすい。
ア <事故の概要>によると、事故発生時、当該道路の最高速度は時速50kmに制限されていたにもかかわらず、当該トラックは時速80kmで走行していた。また、<事故関連情報>によると、月1回ミーティングを実施していたものの、交通事故を惹起した場合の社会的影響の大きさや疲労などの生理的要因による交通事故の危険性などについて理解させる指導・教育が不足していた。したがって、本肢のような指導を行うことは、同種事故の再発防止対策として直接的に有効である。
イ <事故関連情報>によると、事故当日は、対面による業務前点呼が行われていた。したがって、同種事故の再発防止対策として直接的に有効であるとはいえない。
ウ 勤務終了後の休息期間は9時間を下回ってはならないが、<事故関連情報>によると、事故日前日の積雪の影響により終業が早朝5時になり、事故当日の正午にはすでに業務を開始しているので、明らかに休息期間が9時間未満であることがわかる。さらに、事故日前1ヵ月間の勤務において、拘束時間・休息期間について複数回の改善基準違反があったことも考慮すると、本肢のような指導を行うことは、同種事故の再発防止対策として直接的に有効である。
エ 衝突被害軽減ブレーキは、レーダー等で検知して前方の車両等に衝突する危険性が生じた場合に運転者にブレーキ操作を行うよう促し、さらに衝突する可能性が高くなると自動的にブレーキが作動し、衝突による被害を軽減させるためのものである。ただし、同装置が正常に作動していても、走行時の周囲の環境によっては障害物を正しく認識できないことや、衝突を回避できないこともあるので、本肢のような指導を行うことは、同種事故の再発防止対策として直接的に有効である。
オ <事故関連情報>によると、本事故を起こした運転者は定期健康診断を年2回受診しており、また、本事故は、運転者の疾病が直接的な原因で起きた事故ではない。したがって、同種事故の再発防止対策として直接的に有効であるとはいえない。
カ <事故関連情報>によると、当該トラックは日常点検・定期点検を実施しており、また、本事故は、速度抑制装置の誤作動が直接的な原因で起きた事故ではない。したがって、同種事故の再発防止対策として直接的に有効であるとはいえない。
キ 本事故の原因が運転者の「居眠り運転」であったことや、肢ウの解説にあるように休息期間が9時間未満の状態で乗務していたことを考慮すると、事故当日の運転者は疲労が蓄積された状態であったと考えられる。さらに、<事故関連情報>によると、業務前点呼の際に睡眠不足等の運転者の体調確認を行っていなかった。したがって、本肢のような指導を行うことは、同種事故の再発防止対策として直接的に有効である。
ク <事故関連情報>によると、本事故を起こした運転者は、初任運転者に対する適性診断(初任診断)を受診していなかったとあるが、本事故は、初任診断を受診していなかったことが直接的な原因で起きた事故ではない。したがって、同種事故の再発防止対策として直接的に有効であるとはいえない。
なお、本事故により死者や重傷者が生じていることを考慮すると、事故惹起運転者に対する適性診断(特定診断)を受診させることは、同種事故の再発防止対策として有効であるとも考えられるが、肢イ、オ、カの内容は、明らかに同種事故の再発防止対策として直接的に有効であるとはいえないので、選択肢の組み合わせから判断することも可能である。
以上により、同種事故の再発を防止するための対策として、最も直接的に有効と考えられる組合せは、ア・ウ・エ・キとなり、肢3が正解となる。