問29 正解3
1.誤り。(1日についての最大拘束時間及び休息期間は改善基準に違反していない)
宿泊を伴う長距離貨物運送に該当する場合、最大拘束時間を週2回まで16時間に延長でき、休息期間を週2回まで8時間に短縮することができる。
なお、フェリー乗船時間は「休息期間」として取り扱われるため、4日目のフェリー乗船時間は、拘束時間には含まれない。(=拘束時間から差し引く)
各日の拘束時間・休息期間は以下のようになる。
<拘束時間>
・1日目:始業6時~終業20時+2日目の4時~6時=16時間
(※1日目の拘束時間は「1日目の6時~2日目の6時の24時間の中で拘束されていた時間」となる)
・2日目:始業4時~終業17時=13時間
・3日目:始業4時~終業17時=13時間
・4日目:始業5時~終業22時=17時間-フェリー乗船時間3時間=14時間
(※「フェリー乗船時間」は拘束時間に含まれないので、差し引く)
<休息期間>
・1日目:終業20時~2日目の始業4時=8時間
・2日目:終業17時~3日目の始業4時=11時間
・3日目:終業17時~4日目の始業5時=12時間
以上により、いずれの日についても、1日についての最大拘束時間及び休息期間は改善基準に違反していない。
2.誤り。(1日当たりの運転時間は改善基準に違反していない)
運転時間は、2日を平均し1日当たり9時間、2週間を平均し1週間当たり44時間を超えてはならない。
1日当たりの運転時間は、特定の日を起算日として前後2日ごとに区切り、その2日間の平均を算出し、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」と「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」が、ともに9時間を超えている場合は改善基準に違反していることになる。(※「どちらも9時間を超えていない場合」や「どちらか一方だけが9時間を超えている場合」は違反にはならない)
各日の運転時間の合計は、1日目が10時間、2日目が9時間、3日目が9時間、4日目が10時間なので、違反の有無は以下のように判断する。
1日目を特定日とすると、「特定日の前日(休日)と特定日(1日目)の運転時間の平均」が(0時間+10時間)÷2=5時間、「特定日(1日目)と特定日の翌日(2日目)の運転時間の平均」が(10時間+9時間)÷2=9.5時間であり、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」については、9時間を超えていないので、改善基準に違反していない。
2日目を特定日とすると、「特定日の前日(1日目)と特定日(2日目)の運転時間の平均」が(10時間+9時間)÷2=9.5時間、「特定日(2日目)と特定日の翌日(3日目)の運転時間の平均」が(9時間+9時間)÷2=9時間であり、「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」については、9時間を超えていないので、改善基準に違反していない。
3日目を特定日とすると、「特定日の前日(2日目)と特定日(3日目)の運転時間の平均」が(9時間+9時間)÷2=9時間、「特定日(3日目)と特定日の翌日(4日目)の運転時間の平均」が(9時間+10時間)÷2=9.5時間であり、「特定日の前日と特定日の運転時間の平均」については、9時間を超えていないので、改善基準に違反していない。
4日目を特定日とすると、「特定日の前日(3日目)と特定日(4日目)の運転時間の平均」が(9時間+10時間)÷2=9.5時間、「特定日(4日目)と特定日の翌日(休日)の運転時間の平均」が(10時間+0時間)÷2=5時間であり、「特定日と特定日の翌日の運転時間の平均」については、9時間を超えていないので、改善基準に違反していない。
以上により、いずれの日を特定の日とした場合も2日を平均して1日当たりの運転時間は改善基準に違反していない。
3.正しい。(1日目の連続運転時間が改善基準に違反している)
連続運転時間は4時間を超えてはならない。(※連続運転の考え方は、問22の解説を参照のこと)
なお、運転の中断は、原則として「休憩」を与えるものとされている。
また、肢1の解説にもあるように、フェリー乗船時間は「休息期間」として取り扱われる。
1日目の出庫後の運転状況を見ると、まず4時間の運転(1回目:1時間+2回目:3時間)後に1時間の休憩をしているので、ここまでは問題ないが、3回目の運転以降を見ると、〔運転2時間⇒休憩15分⇒運転3時間…〕という運転状況であり、「30分以上の運転中断」をする前に運転時間の合計が4時間を超えている(=5時間)ので、改善基準に違反する。
なお、2日目、3日目、4日目については、4時間を超える連続運転は見られないので、改善基準に違反していない。